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10-01/画像解像度
配布した画像の中から「04ha.jpg」という画像を開いてみましょう。
「イメージ」→「画像解像度」を開いてみましょう。画像のファイルサイズが640×480pxであることがわかります。
ビットマップ画像を拡大するとモザイクのような四角形で区切られています。この1枚1枚が「ピクセル」という画像の大きさの単位です。
640pxという数値は「モザイクが640枚並んだ大きさ」という意味です。
画像の大きさ「ピクセル」の概念
ピクセルはスライムみたいな柔らかなタイルだと想像してください。
このタイルは大きさが伸び縮みします。
タイルは画像ファイルの中に、何枚でも並べることができます。ただし、タイルとタイルの間にはすき間はあきません。タイルは隙間なくぴったり敷き詰められます。
「1インチ毎にタイルが何枚詰め込まれているか?」
つまりタイルの密度が「画像解像度」という概念です。
出力の環境によって、きれいに見える画像解像度は違います。
・PCモニター…………………72ppi
・プリンターの出力…………150ppi
・工場の印刷機………………300〜350ppi以上
画像解像度を上げる
「画像解像度」パネルを開いて、「画像の再サンプル」のチェックをはずしましょう。
ファイルサイズは「640×480ppi」から変更できなくなります。
総データ量をロックしておいてから、「72ppi」だった画像解像度を「300ppi」に変えてみましょう。
出力サイズの見ると、225mmほどだった幅がおよそ54mmに小さくなりましたね。
まわりの定規の目盛りの大きさが変わったのがわかりましたか?
モニターの写真の部分にはまったく変化がおきません。しかし、印刷するととんでもない変化が起きていることがわかります!
モニターでは確認ができない画質は画像解像度の画面で確かめる必要があります。
ふしぎなことなんですが、出力サイズがこんなにも違うのに、二つの画像をモニターで100%表示をしますと、全く同じ大きさに見えます。
モニターさんの立場
モニターは「お前のスクリーンには1インチの中に72枚(スマホ、タブレット、それとマックのレッティーナディスプレイなど、もっと高解像度を再現できるモニターもありますが、)のタイルを詰め込んで映すんだよ」と、設計されています。いくら高解像の画像を映せ、と言われても、自分に与えられた以上の高解像度の画質は再現できないのです。
1枚の書類にピクセルが何枚連なっているか?だけが大きさを左右する基準です。そのかわり「大きすぎる画像は縮小版を表示する」という大技がモニターには可能です。
高解像度の写真をPhotoshopで開くと、モニターサイズに合わせた大きさに縮小されて表示されます。100%に表示すると、表面積はいくらスクロールしても終わらない......場合も生じます。そんなときはツールボックスの「手のひらアイコン」をダブルクリックしましょう。
プリンターさんの立場
もし仮に「画像解像度1ppi、20×20ppi」の画像があったとします。「解像度1ppi」という設定は、「2.55cmのマスのなかに、タイル1枚」という画質のことでした。しかし、モニターでは、画像解像度がどのように設定されていても、20pxは20px。モニター上の見え方は変わりません。
極端な例ですが、画像解像度をプリンタ用に設定しないで「1ppi」のまま出力すると、「1モザイク当たり2.55cm」という、ありえないでかさのモザイク状の画像が出力される、という悲惨なことになります。
Web上に転がっている画像の多くは「解像度が72ppi」程度の低解像度の画像です。Webでは「さくさくダウンロードできる」という、ユーザーへの思いやりが良い画像の条件です。
「解像度72ppi」の画像をプリンタで出すとモザイク1枚の大きさは0.3mmぐらい。パッと見て、ぎざぎざを肉眼で感じてしまう「きめの荒さ」です。つまり、Web上での閲覧のための画像は印刷には使用できないことが多いのです。注意しましょう。
肉眼でざらざらしていると感じなくなるには、150ppi以上の解像度が必要です。「解像度150ppi」ぐらいになりますと、モザイク1枚がその半分の大きさ、0.15mmぐらいまで細かくなります。
今回の名刺課題は「印刷入稿用の完全原稿」をめざしています。工場で印刷する写真にはもっと高いレベルの条件が要求されます。300〜350ppiの解像度が必要です。
配布された画像の画像解像度を調べましょう。画像解像度を300ppiに変更して、原稿に使用できるかどうかを確認しましょう。