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Q:過程は必要?
Q:イメージする形に出来れば過程は気にしなくていいような気がするんですけど、どうおもわれますか??
A:賛成します。
出来上がりが、お客さんのニーズを満たしていて、お客さんが喜んでくれれば、過程は関係ない、と、本心は思います。
しかし、ですね。現実には、過程が必要なことが多いです。
会社とかの仕事となりますと、よっぽどの信頼関係がない限り、わたしが仕事のぜんぶを完成させるまで、お客さんがお金を用意してじっと待っててくれる、という好条件のケースは少ないです。
仕事を受けるか受けないかを決める前の段階で、こうこう、こういうものができるんだ、という、夢の説明をしなくてはなりません。
イラストを描き始める、ず〜〜〜っと手前、お客さんさえも自分の希望内容がどんな規模で、どういう目標なのか?すら、わかっていないときに、仕上がりの予定と過程を説明しなくてはならない場面はやってきます。
お客さんの立場に立って「わたしに任せてくれれば、こういったものが、こんぐらいの値段でできますよ〜ん」とお話しして、仕事の規模と値段を決めます。
会社員だと別の担当が交渉を引き受けるので、デザイナーはデザインだけしていればよいのですが、フリーランスのデザイナーにとっては、最初の交渉も仕事の大切な一部分です。デザイナーの立場からすると、仕事をゲットできるかどうか?いくら稼げるか?を先にきちんと決めることは、とても大切です。すごく少ない料金で永遠に奴隷になるという悲劇が起らないために。それと自分が「やるやる詐欺」にならないためにも。
自分の仕事の予定図を制作過程をちょっとご紹介する必要と、なぜ、そういう道をとるのか、きちんと根拠と理由を語る必要がでてくるのです。「ラフスケッチ」や「カンプ」という絵を作って紙芝居のように見せ、説明する「プレゼンテーション」という仕事です。役者やシンガーの「オーディション」に当たります。
わたしも、自分のための制作のときには、ラフスケッチやカンプ制作は作りません。作りながら進化させたほうが、いいものになる場合が多いからです。
でも、必要なときは描きます。ラフスケッチ。(ふう〜)
自分のためでなく、お客さんのためのラフスケッチはなぐり描きではいけません。
みなさんは、プロになるためにここに来たのだから、心のこもったラフスケッチはいつでも描けるようにする必要があります。