11-05/グリッドデザイン|線と空間

 1本の線で見る人の視線に、方向と動きが生まれます。また、上の区画と下の区画、2つの区画が設定されます。それで「バランス」が生まれます。
 1行がつぎつぎにつながって段落になります。
 長い段落は高さを持ちますよね。
 行頭がくっきりした垂直線を描き、行末があいまいな垂直線を形作っている、1つの形状(面)となります。
 この形状の行頭の垂直線は、紙面を縦に分ける(横組の場合)基準線(目印)の役目を持ち始めます。
 縦の線が紙面スペースを縦に分割すると同時に段落自体が1つの形として個性を持つ。この面のピースをコラムと呼んでいます。

 行頭の垂直線が行末で崩され、次の行でまた垂直線が現れる。
 コラム自体がその内部にリズムを持ちますし、コラムの縦横のサイズとフォントや大きさを統一して、同じような意味の文章を同じように並べていきますと、その繰り返しが全体の空間の幅と連動しあって1つのリズムを作ります。
 段落やコラムや図版の間の余白は、紙面上で、見る人の視線を誘導するときの方向を決めます。また、その隙間の幅にもムードが宿ります。

 段落が固まり、紙面を覆うたくさんの文字の集まりはぱっと見ると、紙面全体の周りの余白との対比で、地紋(この地紋みたいな表面の柄のことを専門用語で「テクスチャ」といいます)が塗り込められた、ひとかたまりの領域に見えますね。
 印刷物のページもののレイアウトの現場では、大きな文のはいっている箱を「版面(はんづら)」、それを読みやすく分けたりグループ化したりするルールを「段組み」と呼んでいます。

投稿者 yone : 2011年12月19日 10:10