11-04/グリッドデザイン|文字が最小単位

 タイポグラフィーをするスペース(白い台紙)を前にしたら、まず、文字を1文字置いてみましょう。
文字は意味を中心に見ると単語の一部ですが、デザイン的にとらえると、タイポグラフィーの最小単位です。
 タイポグラフィーをLEGOブロックに例えると、文字はいちばん小さなブロックの1ピースです。
 単語をつないで1行の文にしてみましょう。1行の文はメッセージでもありますが、デザイン的にとらえると、1本の線です。

 1本の線を画面に置いてみましょう。
目は、文字の列を追いますね。方向が生まれ、画面には、1本の線が分けた2つの区画が設定されます。

 最小単位の文字は、たった一文字ですが、それ自体にも線の幅や面と空間の比率など、デザインのバランスを持っています。
 読む人の目は、もちろん、文字のもつ意味、単語の持つ意味、文の持つ意味を読み取るのですが、その他にも、視覚的にいろいろな情報を得ています。
 その文字に着せられたフォント(字体)の持つ個性もその一つでしょう。
 また、文字と文字との間にできた空間と文字の面とのバランスは目に入る速度と関わります。
 目に入るスピードを調整されて、人はその文字に込められたイメージを感じます。
 文字と文字の間が広いとのんびりさやほっとしたイメージを受けたり、狭いと難しいと感じたり、緊張した空気を感じたり、という経験は皆さんにもあるでしょう。

 このように、タイポグラフィーのイメージは、一つ一つのピースが持つ個性が持つ部分のイメージと、空間や周りエリアの醸し出す全体のメッセージの連続性で成立しています。

投稿者 yone : 2011年12月19日 10:11