12-01/必要な情報を整える(原稿を描く)
12-01/必要な情報を整える(原稿を描く)
オリジナルブックの台割を見直して、ページ数を決めましょう。本文の他にどんなページが必要でしょうか。またどんな版下をおこし、どれだけのデザインをしなくてはならないのでしょうか。その種類を書き出しておきましょう。
・表1 表4…本のカバーデザイン
・扉…………本のタイトルと作者名が記載されたページ
・まえがき…あいさつ文 はじめの言葉
・目次(作品リスト)
・本文(ほんもん)……作品と内容 見やすく並べます
・あとがき………エピローグ
・奥付………本のタイトル、発行年月日、発行者(自分)の所在など、この本の説明
以上、何通りかのデザインが必要になります。
12-02/フォントを注意して選ぼう|タイトルデザイン
■文字の特徴をつかみ、自分のタイトルをしゃべらせるのにいちばん似合った俳優を見つける。
グラフィックデザインをアニメ映画に例えると、文字はセリフ、フォントは声優の声に当たるほど重要です。
フォントの種類はもちろん、大きさや太さによっても、文字の伝える印象は全く変わってきます。
フォントの種類と大きさ、重さを選ぶときに、必ず考慮しなくてはならないのが、書いてある内容の「意味」です。
タイトルを声に出して、いろんな読み方で読んでみましょう。意味をよく味わい直し、どういう印象をうけとってもらいたいかという方針をしっかり定めてからフォントを決めましょう。
フォントを選ぶときのこつです。
なん通りか試して、実際に見比べながら進めるとよいです。
フォントの大きなカテゴリーは「セリフがあるか」「セリフがないか」ということだということをお話しましたが、そのセリフも斜めだったり、傾斜がなかったりで表情がちがいます。
和文フォントの場合は「明朝体」「ゴシック体」というおおきな2分類がありました。しかし、フォントによって、「点」「はらい」「うろこ」「ふところの広さ」など、細かなところに違いがあります。
※↑こういう部分の違いは、人間に例えると「まつげが長い」とか、「首が細い」とか「唇がきれい」という、キャラクター性を司る重要なポイントです。
■全部同じ種類に決めなくても良い。
単語ごと、接続詞だけ、頭文字だけなど、部分によって、違うフォントを選ぶのもよく使われるテクニックです。
ただし、これも意味を考慮します。意味を強め、キャラクター性が濃くなる方向で選びましょう。
12-03/並べ方を工夫しよう|タイトルデザイン
フォントを選ぶときと平行して決めるのが文字と文字の間隔です。
同じ文字でも隣りの文字との間隔で性格が違ってきます。
これは、学校にいるときの皆さんと、家族に囲まれているときの皆さんとでは、まったくキャラが違うのと同じ理屈です。文字も、周りとの関係によって、見え方が違ってくるのです。
イラレの機能(トラッキング、カーニング)を使って、いろいろな間隔を味わいながら選びましょう。また、語感によっては、大きさを変更してみるのも一つです。
この作業も、なん通りかの例を比べながら進めると、よいです。
だいたいのリサーチが定まったら、スケッチブックを開きます。
スケッチを描いて、どんな配置があるか、どんな組み合わせがあるか、ドローイングでタイトルの組み方の方針を決めてください。
この方針立ては、たくさんの良いロゴの形をどれだけ見たことがあるか?という経験がキモだったりします。アイデアが思いつかない人は、良いお手本を探しまくってください。パッケージの商品名や本のタイトルなど、とても参考になりますから、ぜひ、街に出かけることをおすすめします。
イラレ上で手を動かすことで良い形が発見できるって場合もありますが、足でデザインすることも時には必要です。
スケッチを参照しながら、イラレで実際に組み合わせてみましょう。
ある時点でフォントデータをアウトライン化したほうが作業を進めやすいかもしれません。その際、もしも後で必要になったらフォントのデータを参照できるように、アウトライン前のデータを残しながら進めましょう。
数少ない字数のタイトルでしたら、1行に納まるでしょうが、文字数が多い長いタイトルの場合は2行とか3行にしたほうが、面積を大きく扱えるかもしれません。
12-04/文字にお化粧を|タイトルデザイン
とっておきのメイク術です。
タイトルの意味によって、組んだタイトルに仕上げの効果をかける場合があります。
■文字以外の要素を組み合わせる
よく使うのは長方形や円、それから線です。
文字以外の形で文字を囲んだり覆ったりすることでまとまりを出します。
それから、囲んだ形をベタ色にして文字を白抜にすることで、強い印象になります。
ブランドのロゴやマークは他よりも目立たなくてはならない宿命がありますので、優しいフォントを使ったばあいは、すこしでも強さを出すために線でくくったりまとめたりするテクニックはよく使われていいます。
■角を丸くする
縦画と横画が交わる交点に角を丸くする加工をかけるティップスです。
文字の表情を和らげます。また、ロゴ全体にお揃いの加工を施すことで、全体がなんとなくしっくり和合します。(よくスポーツやグループ制作なんかで、ウループのメンバーが同じ苦難を乗り越えると急に和気あいあいとすることがあるじゃないですか。それに似てます)
■ざらざらにする
アウトラインをわざとギザギザにすることもあります。
紙ににじんだ感じを大げさに再生させるティップスです。
懐かしい感じや古くさいイメージがでます。
■ゆがめる
自由変形ツールやエンベロウブの機能を使って、一部だけ湾曲させたり、ゆがめたりする作戦です。方向が生まれ、視線を思惑通りに動かせるメリットがあります。
しかし、あまり形を変形しますと、文字が読みずらくなりますので注意です。