3回目の授業で勉強すること/10月24日(月)28日(金)
3回目の授業で勉強すること/10月24日(月)28日(金)
CDジャケットデザインの講評と対策
1. タイトルのデザイン詰め方
*フォントを選ぶ
*フォントの並べ方
*個性のつけ方
a. 「はっ!」「えっ?」「おおっ」「ぷぷっ」「にやっ」とさせる
きらめき(個性)ときめき
b. 可読性とリズム
c. まとまり 全体の形
*実際の作業に役立つIllustrator上でのテクニック
a. テキストパネル
b. コピーをとりながら進める(履歴ログを残しながら比べて改良)
2. イメージ画像 ちょっと冷めた目で客観的に自分の作品を分析する
*描きたいものがしぼられているか? いくつも主役がありすぎるのはNG
*主役がわかりやすい形か? アウトラインはわかりやすさに直結
*周りの余白と物との面積比が気持ちいい割合になっているか?
今週の宿題
「CDジャケットデザイン」のデザインをブラッシュアップして、もう一度出力。先週と同様にトリムマークを入れて2枚出力する。
A4の紙に2枚出力。
・1枚は内側のトンボ上を裁断、黒いA4ケント紙中央に貼る。
・1枚は紙のまま。裁断もせず折りも入れずに紙のまま提出。
カメラ準備のお願い
※次週から次の課題制作に入ります。デジタルカメラを使用しますので、準備してきてください。
※持っていない人は買わなくてもいいです。家族や友達に借りる予約をしておいてください(10月31日〜11月中旬まで使用)。
※幅2000px高さ1500pxぐらいの画像が得られれば、スマートフォン・携帯でも足ります。ただし、カメラの性能が表現物のクオリティーに直結することを考慮して準備願います。
03-01/アサヒスーパードライに隠された秘密
突然ですが、アサヒスーパードライ。このビールのラベルに込められた工夫について話します。
「Asahi」というメーカー名がどかん、と中央に配されて、そのメーカー名の上に赤いセリフ体で「SUPER“ DRY”」と商品名が配されています。
DRYをかこっている「ダブルクォテーションマーク」に注目してみてください。
ダブルクォテーションマークはふつう、「66」と「99」型が対になるルールです。ところがこのロゴは「66」の部分が「99」を左右に反転した形になっているでしょう。
このロゴは、「Asahi」という社名を中心にセンター揃えでいろんな要素を並べています。センター揃えというのは、どこか格式が高く、正統な雰囲気が醸し出されるレイアウトです。
ロゴを作った上原晶さんというデザイナーは、正統な雰囲気を強めるために、「“ DRY”」をしっかり四角く見せる必要があったのでしょうね。
小さな嘘。これもマークを作る際に仕掛けられた工夫の一つです。
03-03/フォント加工のレシピ
プロはあの手、この手を使って、見た瞬間に見た人の目を離さない、しかも商品の特徴をしっかり伝達するロゴマークを作るために、あれやこれや頭をひねっています。
ロゴに必要なことをまとめると
1 目をつかむ。「キャッチーであること」
2 目をそらさせない。「ずっと見ていたい美しさや面白さ」
3 ちゃんと特徴をつたえる。「きちんと読めてイメージがはまってる」
この3点につきるのではないかと思います。
実際の作業のレシピ
1 フォントの選択が的確か?
・イメージに合ったフォントを探します。
このとき、お手本のパッケージなどを探し、「これに似たイメージ」というふうに
手元にお手本を置いて見比べながら探すといいです。
2 並べ方が的確か?
・イラレのフォントパネル、カーニングやトラッキング、
ベースラインシフトなどの機能を使えるようにしましょう。
・文字間が広いと優しい感じになりますが、やりすぎると間抜けに。
・文字間が狭いとアグレッシブな感じ。文字と文字が重ならないように。
3 形がきれいか?面白いか?
・1行にするか?2行にするか?3行にするか?
・レイアウトの基本形は3種類
頭揃え→読みやすい
センター揃え→伝統的、宗教的。読みにくい。
尻揃え→わかりやすさに欠けるが、普段見慣れてないので、意外性。
4 目が喜ぶシカケを組み込ませる。
リズムをつけ、きらめきを仕掛けるテクニック
・部分的に色をつける。
・形を抜く。
・他の形を組み合わせる
・一部の大きさを変える
・他のフォントを混ぜる
・周りを形で囲む 何かの形にの中に入れる
(丸 四角 なんかのシルエット 線で囲むか?色面の中に入れるか?)
03-04/履歴を残しながら進め
フォントを扱っているときは、フォントに集中するために、新規書類を開いて、CDの版下とは別の場所で作業を進めると良いでしょう。
また、ロゴを作る初期から色を使うと形に集中できないため、最初は「黒」だけで、形を決めます。
作る過程でおすすめしたいのは、「コピーをとりながら、作業の履歴を残しつつ先にすすむ」ということです。
加工を加える前と、加えた後の結果を見比べて調整していきますと、その効果が正しいのか、しなくてもよいことなのかが確認できます。あれこれ迷う時間を節約できます。
ロゴ作りがある程度進んだら、たびたびCD版下の全体図に戻って、加工が正しかったのか、確認します。
03-05/ロゴを作りながら気をつけること
ロゴなどを作っていると、つい一生懸命になりすぎて、「いきすぎの小道」に迷い込んでしまうことがよくあります。「いきすぎの小道」は「自己満足」につながる危険な道。入り込んでしまうと、「読めない」「わかりにくい」「ロゴだけイメージが別のものになってしまう」など、作った本人だけが理解できるが、辺りの人にはさっぱりわけがわからない危険ブツになります。
ときどき、客観的な目で見直すことを忘れないでください。
いいロゴに外せない条件
1 強い→目立つ。
2 やさしい→読める。
3 味がある→伝わる。
上の項目に向かっているかどうかを確かめるには、客観的な目でロゴを見直す必要があります。そのために私が実践していることをあげます。
1 距離を置いて見る。
2 時間を置いて見る。
3 逆さまにして見る。
4 いいものと隣り合わせにして比べる。
ロゴを作っているときは部屋の中が、ロゴを出力したA4の紙だらけになります。
A4の用紙の真ん中にプリントアウトして、壁にはって、遠くから見ています。ほんとうはバッグに入れて持ち歩き、本屋さんやCDショップなど、売り場で出して、売り場にこっそり並べて、実際の商品に埋もれてどうか?を見てみたいのですが、怪しすぎるので、自宅の机にお手本の本やCDを並べて、それと比べて、魅力があるかどうかを比べながら確かめています。
03-06/入選作をリサーチ!
ちょっとこズルいチェック法ですが、もう一つ、入れ知恵します。
こういった、コンペの場合、開催・審査側が何を求めているのか?をリサーチすることもとても役にたちます。
仕事でも、クライアントさんが、どういった雰囲気の仕事を要求しているのか?をある段階で調べることはふつーにしなくてはならないこと。
今回も、このコンテストの前回の入賞作にどんなものが選ばれているのかをあらかじめ確かめてみます。
いいデザインだと認められるものには、共通の条件があります。
1 強い。
2 わかりやすい。
3 イメージが伝わる。
あれ?これは、フォントのところで話した条件とほぼ同じですよね。
そうなんです。
「デザインを詰める」というのは、ひとえに、「強い やさしい 味わいがある」をいろんなパーツにおいて追求していくことなのです。
さあ、ジブンの作品を眺めてみましょう。
この3点をチェックしてみましょう。
「他の作品に負けない強さ」
「見る人へのわかりやすさ」
「味わいの深さ」
足りないところが発見できましたか?
03-07/デザインをブラッシュアップ!
ジブンの作品をもういちど、見直して次の点をチェックしてみてください。
1 いいたいことがしぼられているか?
2 描いてあるもの、載っているものがパッと見ただけでつたわるか?
3 その形がジブンの意図したイメージにつながるか?
対策1:いいたいことがしぼられているか?
主役がいくつもあるときは、一つにしぼってみましょう。
対策2:ぱっと見ただけでつたわるか?
形に関して→ものの形を決めるのは明度差とアウトラインの形です。
人物でしたら、わかりにくい角度やポーズを変更してみましょう。
それから、なにも置かれていない、空いている部分の形も気にしてみましょう。複雑でわかりにくい形になっているときは、ものの形や重なり方を変えて、周りの空きの形をシンプルにするようにすると、画面がすっきりします。
大まかに黒っぽいいろと白っぽい色、2種類に分けてみます。
Photoshopで2階調化をすると一発でわかるのですが、白と黒に置き換えたときに見える形が目に飛び込んでくる印象です。(目は最初に明度差をとらえて、あとから色相を感じるようにできているそうです)
自分では大きく色を変えたつもりでも、明度が似ていると、パッとみたときに差を感じにくいのです。それが伝わりにくさにつながります。
形がわかりやすくなるように、色を変更してみましょう。
対策3:イメージが伝わるか?
反対に説明不足になっていないでしょうか?
「わかるだろう」「伝わるだろう」という思い込みで、見る人を苦しめていませんか?
いろんなひとに見てもらって、印象をひと言、言ってもらってください。
自分が言ってもらいたい言葉とは違うワードが返ってきたら、それは言葉が足りないです。
デザインは気持ちを伝えるもの。愛情を伝えるときと一緒です。
伝わらなかったら、「愛してる」ってストレートにいっちゃえば、ひと言で済んじゃうのと似ています。
表現が足りない人は表現したいことを代表する具体的な写真をもう一点加えてみましょう。
写真を組み合わせる表現を「フォトコラージュ」といいます。