01-08|ラフスケッチ 妄想で案を練る大切な過程

 作るものの完成の形を確認したら、次は内容について考えます。紙と筆記具を出してください。ラフスケッチを作ってみましょう。

アイデアを出す
最初は3センチか5センチくらいのの小さな長方形の中に、イメージを簡単に書き留めていきます。これはサムネイルといいます。
文字、「単語」の羅列でもいい
絵が得意でない人は、単語の羅列など言葉でもいいのです。
丸や三角や四角など、自分だけがわかる簡単な図でも許されます。
とにかく数はたくさん。出せば出すほど、いい案が見つかる可能性が高まります。
アイデアが出なくなってもまだ出し続ける
だんだん案を出すのが苦しくなってきたとき、そのときがチャンスです!
限界までがんばってもまだ踏ん張ります。連想とその先の妄想を続けます。
アイデアの土俵では、辛くなってからが本当の勝負です。
ぱっと出るアイデアは、だれもが思いつく「あたりまえ」のことだったりします。
本気を出しておもいっきり突き詰めないと、脳の奥の奥の奥にしまい込まれた、その人の本当の個性は出てこないものです。
否定しない
「ちょっと変なんじゃない?」という変わった考えも否定しないで書き留めることはとても大事です。
「こんなん、だめかも」と自分を否定しない。これがコツです。
アイデアとアイデアを繋ぐと新しいアイデアができる
アイデアの断片がたくさん出たら、今度はアイデアとアイデアを組み合わせてみましょう。アイデアは化学の物質と似ています。別の性質と別の性質のものをくっつけるとまるで化学反応みたいな劇的なことが起きます。まったく考えもしなかった別の物語、奥深い感情を呼び起こす情景が生まれることもあります。
ブレスト
ものを考えたり作ったりする仕事の現場では、企画を決めるときなどに、この作業を独りではなくチーム全体で行います。この時間のことを「ブレインストーミング」といいます。略して「ブレスト」。
独りで考えるよりも、たくさんの人数で案を出していったほうが、いろんな案が出るし、人と考えを交換することで、よりいろんな方向に考えが広がるので、これは仕事に関わる人がみんなでやります。
狭い部屋で良い大人が3時間くらいこもりっきりで、うんうん連想ゲームみたいなことをするのですが、みんな真面目です。トイレにも行けないくらい真剣です。
考えをたくさん出したら、また自分の手元に視点を戻す
自分が取り組むテーマを決めたら、もういちど、最初に触ったCDジャケットのサンプルに戻ります。もういちど、ケースをなでまくり、白いジャケットを眺め、どんなシーンを組み込んだらいいか、イメージしてみましょう。そのシーンを書き留めてみましょう。もう一回サムネイルに戻ります。1回目独りで考えたときより、アイデアの幅が広がったでしょう?
練る、練る。紙の上で構想を練る!
サムネイルがたまったら、いい出来だなあと思われるコマだけを抜き出して、こんどはもう少し大きめのコマの中に、もういっぺんあらたにスケッチを描いてみましょう。
ここで書くスケッチはあくまで「予定」です。実際の写真を取る過程で、もっといいネタが見つかったら、変わってしまってももちろんよいのです。
ですが、このラフスケッチなしで制作に取りかかるということは、地図なしで行き先を訪ねるのといっしょです。最初のラフスケッチは、いつまでたっても作業が進まない、なにをやっているのかわからなくなる、という悲劇を防ぎます。
ディレクターの「ラフスケッチ」はゴールの場所を遠くで知らせる「灯台」の代わり
実際の仕事では、複数の人と力を合わせて進めることがほとんどです。 行動の方針を立てる意味でも、それから、全体の雰囲気や流れるカラーを決め、先に伝えておくと、チームメンバー全員の作業の芯がぐらつかず、仕事がスムーズに運びます。
今回はの課題は独り作業ですが、近い将来に多人数の人を率いる「ディレクター」になる人もいることでしょう。その日のための事前訓練でもあります。
自分のアイデアを練って膨らまし、人に伝えて条件や規模を調整し、自分のポリシーを仲間と共有しながらクリエイティブを実現化する。最初のラフスケッチはそのためにとても役に立ちます。

投稿者 yone : 2011年10月11日 06:34