13-03/紙の知識「紙の目」 (再)

紙には『目』があります。
・紙を造るとき、大きなベルトコンベアに乗せて、繊維を流し込み、水分を抜いて乾燥させるという工程があります。紙の目について参考
・ベルトコンベアの上を通った紙は大きなローラーに巻き付けられ、カットされて売られます。
・水に浮かんだ紙の繊維ががローラーにまき付けられるまでの間に、繊維の方向がベルトコンベアの進行方向に対して平行に並びます。これが「紙の目」です。
・紙は湿気を帯びると伸びます。このとき、「紙の目」にそって丸まろうとする性質があります。
・また、「紙の目と垂直方向には湾曲しにくい」という性質もあります。
・厚い紙や、薄い紙でも束になった場合、その性質が強く現れます。
・本やパンフレットにした場合、綴じる辺と平行に紙の目を使うと、スムーズに開きやすく、読みやすい書物になります。
・紙の目を閉じる辺に対して垂直に使うことを逆目(さかめ)といいます。
・紙を逆目で使った本は、湿気を含むとページが本の背と垂直方向に丸まり、開きにくい本になります。何度も開いたりに壊れやすくくなります。
■本の制作には、背と水平に「紙の目」が通るように紙を使います。
・カットされて店頭に並んだ紙や、出力紙としてパックにされた紙の中には、実はいろいろな目の紙が混ざっています。
・手製本では、あらかじめ紙の目をテストし、また、大きな紙をカットして使う場合には、わざわざ「紙の目が本の背と平行になるように」注文します。
※本の背と平行して紙の目が通った状態を「縦目(T目)」といいます。

投稿者 yone : 2011年12月28日 10:08