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23 november 2009

ラベル付けで暗黒部分に立ち向かう

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よねが癒された本たち2009年ベスト。3位「ピタゴラ装置DVDブック1〜2巻」慶応大学佐藤雅彦研究室 小学館。放送では装置に使われてる文房具やパッケージのロゴにみとれて、肝心の装置を見逃す。DVDだと何度でもあともどりできて満足。2位「聖☆おにいさん(1〜4巻)」中村光 講談社。そして1位は……!「バカ姉弟(1〜5巻)」安達哲 講談社。おねいみたいな子って、案外と近くにいるよね。まわりの大人もすてき!
 ここ、10年ぐらい、「買おうかなあ」と思っていったん手に取り、「必要ないかも」と思って買うのをやめてた品があります。
 なにかというと、「テプラ」です。名前を貼るシールを作る、そう、セロテープみたいなテーブが「がちゃこん」と印字されて出る、それだけのあれ、です。別物で代用できるっていえばできないことないのですが、「ああ、あれがあればなあ……」と困るたびに考えている自分がいました。
 8月に部屋を改造したとき、片付けの最後の方は疲れてて、細かい物を、とりあえず、いろんな箱にぶち込んで棚に押し込みました。アマゾンで本を買ったときに来る段ボールをリユースしてます。同じ形のがいくつもあるので積み上げやすい。収納にぴったり!と思っていたのですが、ぜんぶが似ているので、なにをどこにしまったのかわからなくなりました。
 しかし、そのまま学校の後期が始まりました。細かいことはすっかり忘れ、なにかを引き出しそうとしては、違う箱を開け、驚く。使ったあとは、ちゃんとしまえず重ねていく、を繰り返し、物が地層のような状態で累積し始めました。
<出なくてとりあえず困っているもの>
1. キャノンの古い方のプリンタのインク。予備で買い置きしていたはずのカートリッジがあるはずなのに。どこにしまったのか、まったく思い出せない。
2. ユニクロのフリース靴下。新たに購入しようと手に取った瞬間、「あれ?これって去年も買ったかも。持ってるかも」と思い出した。買わずに帰ったけど見つからず。
3. 製本の糊とテープの大量買い置き。来週以降必要。これもどれかの箱にしまったはず。
 個々の品は買っちゃったほうがテプラ購入よりどれも安い。でも、どうも、暗黒のごにょごにょが部屋の一部から増殖しはじめているってのが重荷でしかたなかった。
 インデックスをつけて、物の在処が一目でわかったら、不安が少し減るかも。今日は祭日で出かける仕事は休業です。一日引きこもって暗黒退治を始める決意を固めました。整頓にあたり元気を出したくて、昨日ヨドバシでつい、テプラ購入となったわけです(「聖☆おにいさん」イエスばりの衝動買い)。
 積み上がったアマゾンボックスを一箱一箱開けて、中身のリストをテプラでシールにし、箱にぺたぺた貼っていく作業を一日じゅう行いました。暗黒部分が解明していくのは、想像以上にすっきりする作業でした。この物の名前だけを印字する道具がどうして売られ続けているのかがわかった。
 使用頻度の高いものは出しっ放しになっています。それらをいい場所へ。使わないものは捨てるか奥か下段に移動。「野口式超整理法」みたいですが、よねの場合は箱と引き出し単位で行われます。
 配線の埃をぬぐっているうちに、プチ模様替えにも突入です。机の向き変更したくなりました。おおごとになってしまいました。
 靴下と接着道具は無事発掘されました。インクカートリッジは出て来ない。はて?すてちゃったのかなあ。

投稿者 midori : 10:16 pm | コメント (0)

20 november 2009

人生に「たまたま」ってのはないと思う

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友人スソアキコさんの個展のもよう。縄文の土器にインスパイアされたクリエイティブは雑誌「ku:nel」に収録されてる。「作品を作り続けながら生きるHappy」のすてきなお手本です。
 「したくもない結婚をするのは、あんまり気のすすまない会社に就職するのと似ていると思う」
 よねには60〜70代の友人がけっこうたくさんいて、かなりの割合の人が「“しなさい”といわれて、いやいや結婚した」と発言していることを前回書いた。
 そうか。例えば、よねは今大学4年生で、就職が決まらなくて「どうしよう」と思っているとしよう。すごく入りたいわけではないが、とりあえず4月から給料をくれるといく広告会社から内定が出た。もしそうだったら、天を信頼して、えいやあっと広告会社での新生活に飛び込むしかない。「永久」就職だとドロップアウトは許されない感は強いが、よねのジャンプとマダムたちが結婚を決めた瞬間の状況は、そう変わらないのだ。きっと。
 やがて子供を持つと、したいとかしたくないとかではなく毎日の必要に迫られて子育てに没頭し、子供を大きくして親を見送り(人によっては夫も見送り)、やっと自分の時間と金銭的な余裕が持てたマダムたちからすれば、よねは「もしも結婚しなかった場合の自分の姿」に見えるのかもしれない。
 ちょっぴりの妬ましさと哀れみ成分を同時に含めたマダム達の発言は重なる。
 「今の人も大変よね」 
 こういう瞬間がいちばん「ぐらっ」とくる。

 それほど強く望まなかったので結婚も子供も無しなのだと思う。
 突っ張って生きたわけでも意地を張ったわけでもなく、ただただ、「ちゃんとした大人になりたかった」だけだ。進んだ方向に一所懸命に前進してきた結果が今の自分だ。
 進まなくてはそこがどういうところなのか、わからなかったし、これから先だってどういうところに出るのかわからない。人からみたらとんでもない道を通っているように見えるかもしれない。でも、通ってこなかった他の道と大変さを比較することはできない。
 ただ、ひとつ感じる。よねの通ったあとの足跡をたどって、その後の世代の何人かが後をついてきちゃっている。これは重大なことだ。
「ここまでは、へへん、体力いるけど楽しかったよ。大丈夫」ってことは言える。このあとはどうなるか、じつはよねにもわからないのだが、「多分、こっちで良かったんじゃない?」では済まされない。確実に、一生幸せに暮らすこと。難しいことではあるが、これはよねにとって「子育て」と同じ意味があるのではないかと考える。
 にこにこしながら、途中で滑らないように慎重に前に進む。迷わないように用心深く道筋をつけながら、行けるところまでなるべく行って、暮らしの場を確保する。なんだかあやしい探検隊みたいだが、それがわがはいの使命だという気がしてきた。
 天から与えられた眺めを楽しんで進もう。

投稿者 midori : 12:49 am | コメント (0)

19 november 2009

しがみつかない生き方

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「スコティッシュダンス」の発表会。正式のパーティーでは「男性はタキシードにタータンのスカート、女性は肩の出たイブニングドレス」を着るそう。踊るのはいいこと。踊れ踊れ、踊るのじゃー(踊っているのはよねでなく、よねの母・73歳+仲間)。
 10月だったと思う。仕事に向かう電車で雑誌「アエラ」の中吊り広告を見た。「カツマーVSカヤマー」。
 勝間和代と香山リカの対談のキャッチコピーでした。よねはホームに到着するなりキヨスクに直行し、雑誌を購入したよ。2009年よね杯、ベストコピー賞をあげます。
 精神科医の香山リカが、「勝間和代を目指さない」と自著「しがみつかない生き方」(幻冬舎新書)に書いたことを受けての対談記事だった。
「年収600万円を目標にしろなんて、無責任に読者をあおるな。勝間さんが言った数字を目指して追い込まれ、うつになって心療内科にかけこむ女性が最近すごく増えている」と、香山が勝間に噛みついている。
 勝間はあえて過激な反論をせずに、打たれっぱなしになっていた。苦し紛れに「うつが増えているのは政治が悪い」、それと「一部の読者は誤読している」と弁解している。
 対談に応じた勝間は偉い。ピンチのときの態度にやっぱり頭いい人だとまたまた感心した。香山も質問がねちっこくてうまい。
 ぜんぜん別のフィールドで働く2人をがちんこで対談させる、という企画を立てた人はものすごい切れ者だと思う。しかし、かなり意地が悪い企画でもある。勝間和代のファンと香山リカのファンはかぶっているのだ。

 勝間は「決められたパーツの一つになるんじゃなく、自分で自分に合った形に変わろう」と言っているだけだし、香山は「完璧に納まる場所をいつまでも探すんじゃなく、とりあえずのポジションに納まって適当にへらへらしていればいいのだ」と言っているだけだ。
 どちらの言い分も時代を動かしている。たくさんの人の助けになっていると思う。

投稿者 midori : 12:34 am | コメント (0)

18 november 2009

600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス

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かわいいでしょ。Illustratorの最初の練習でやる「基本オブジェクトツールとパスファインダーでできちゃいました」みたいな「いろんな形クラッカー」。ビールじゃ寒くなってきたので、最近は赤ワインのおともにちびちび食べてます。
 宣伝とか宣教とか販売とかプレスとか。そんな目的があるわけでない、シュミのホームページをいくつか運営している。サイトを運営するのって、地味に庭木を育てているのに近い。ときどき土を入れ替え、時にはどんどん伸びる枝葉を時々手入れして剪定してやる。虫や雑草を取り、要らない枝葉を処分して枯れないようにしてやる。
 花が咲いたり紅葉が見られたりする喜びもあるのだけど、幸せなゴールとでもいおうか、運営のいく末にどんなことが待ち受けているのかが、ときどき見えなくなることがいまだにある。そんなとき知人から「ホームページを作るならとても参考になるから」と教わった。なんだかとても明るい未来をいただいた。今年のベストブックです。
『600万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(上坂徹・著/角川SCC新書)
 欲しい情報が3クリック以内で探せる。圧倒的に早いレスポンス。ユーザーは日常生まれた自分のレシピをストレスなく更新できる。「レシビを紹介する」「レシピを調べる」というコンテンツに絞り込み、広告は細心の注意を払って仕掛けられている。実際のサイト自体を動かしながら読むと、ものすごい勉強になります。
 Webって「コンテンツ」「システム」「利益回収」。この三つが満たされて初めての成功なんだよなあと、しみじみ感じた。三つどもえのどのパートもスマートで参考になる。
 クックパッドの開発の秘密だけでなく、主催者の「大学卒業時に就職という道を選ばなかった起業家としてのサクセス・ヒストリー」としても二重に楽しかった。
 Web業を生業としている方にはきっときっとお役にたつと思う。

投稿者 midori : 11:35 am | コメント (0)