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29 december 2008
似たような人、集まる
パーツのひとつひとつに、設計図を書いて、縦棒と横棒がぴたっとはまる形を作った人がどこかにいるはず。こういう細かいところに心が宿っている気がする。いちいちじーんとしているのって、おかしいだろうか?
ぎりぎりに年賀状が書き上がると、わざわざ都内まで出しに出かけていた。大きい郵便局から投函すれば、もしかすると早めに届くかもしれないと思って。ところが昨年はみごと失敗した。東京駅前の中央郵便局で30日に投函したのに6日過ぎに届いたという。翌年の仕事始めまで、放置されていたと思われる。
今年は千葉みなとの千葉中央郵便局で出すことにした。住所は書き上がったのだが、切手をまだ購入していなかった。ついでに郵便局内のテーブルを借りて、切手貼りをさせてもらうつもりだ。
高い天井と大きめのホールの右と左にエントランスが二つ。「中央」と名乗るクラスの郵便局って、どこもだいたい似たような設計で建てられている。よねはこのタイプの郵便局に行くとどうも、いつも、「くまのパディントン」とか、「ふたりのロッテ」とか、子供のころに読んだヨーロッパの児童書の中に入ったような気分になる。よねが窓口で切手を買っているシーンを、お話の挿絵のペン画の一部として描かれているみたいな、あるいは、映画カメラで撮影されているのを他の国の子供に見られているような、ちょっと変な気持ちになるのである。しかも自分の番が回ってきて、ちょっと高めのカウンターに肘を突く瞬間、なぜか心の中で「50円切手を120枚」などの注文を英語で言う準備をしている。変な癖といえば変な癖だ。
植物の絵柄の記念切手が5シート半残っていたのを買占めた。残りはカモの切手で補う。
ホールのあちこちに、年賀状用のスタンプがが準備されたテーブル置かれている。これも毎年、どこの郵便局でも同じ仕様である。椅子を一つ陣取った。はがきの山をリュックから取り出す。まず切手をシートからバラバラに切り離して柄別に積み上げる。ウエットティッシュを畳んで、切手を湿らす台を作った。切手を湿らせ、貼りを開始する。けっこう居心地よく、気分よく没頭できた。どこでも仕事場を開催できるし、集中できるのは得意技だ。気がつくと今まで空席だったよねのテーブルに一人、また一人とメンバーが集まり、年賀状製作コーナーは満席になっていた。
テーブルが震えるので、ちらりと前の人の手元を見た。真白のはがきをたった今購入したもようで、ものずごい勢いで牛のハンコを押し始めた。住所もいまからこの場で書いて出して帰るつもりなんだろうか?
横の人が「年賀」はないですかね?と、はんこの籠を探し始める。「これ、よかったらお使いください」隣のテーブルの人から助け舟。「うわー、よくできてますねー」「消しゴムで作ったんです」
同類助け合うって感じで、和気あいあいな空気が流れてる。なんだかおかしい。
残っていた仕事を外で片付けようとパソコンを持って出かけている。家では、母が大掃除モードに突入していて、パソコンつけるとなにかといちゃもんをつけてくるに違いない。カフェに寄る。勉強している人が結構な数いる。みなさん、避難してきたのかな。
投稿者 midori : 04:55 pm | コメント (0)
26 december 2008
さよなら2008年
授業が終わって学校の外に出ると必ず空をみる。電気街に明るい月。ビルも看板も電気も日々の忙しさも、人間の営みひっくるめて、大きな宇宙の一部なんだよなあ。
2008年の公式スケジュールがいちおう終了しました。昨日はシルクスクリーンの工房に出かけて、年賀状の印刷も完成しました。今朝は朝寝坊させていただきましたー!あー、よく寝た。気持ちいい!元気回復。
ひゃー。今年もおもしろかったなあ。でも、忙しかったなあ。とくに11月から12月にかけては、体力と気力の今のところの限界までふんばりましたよー。
「けっこうよく走るけど、このまま調子にのりすぎると、そのうちに焼けるなあ。このエンジン」
みたいなことが自分について、わかりました。どのデザイナーもスポーツ選手も、どの経営者も同じだと思うけど、針が振り切れるところまでアクセルを踏んで、エンジンを吹かしてみなくては、信頼って得られない。それは自分自身についても同じだと思う。
今後このよねマシンをどうやって走らせていけばいいのかをチェックするといい経験を積ませていただきました。
来年は、今年得た確信を、ちゃんとアウトプットして、パッケージに詰めて、世の中の方がお役に立てやすいように整理して並べたいと思います。
あと数日になりましたが、本年じゅうにしなくてはならないことリストです。
1. 来年の頭に入稿する雑誌のデータ修正3ページ分。
2. 年賀状の宛名書き。
3. 生徒さんの冬休み中の制作のフォロー。
4. 自分で運営している何本かのサイトのお正月用の更新。
5. それと、お掃除。
並べると今年中に終わるのか?って感じですが、年賀状は、いまさらどんなに急いでも1月1日には届かないという評判なので、正月にかけて、ゆっくり書こうと思います。修正も自分のサイトの更新も、じっくり時間かけてちびちび楽しもうっと。年内は、近所以外、遠くに出かけない方針です。お正月も引きこもり希望です。本も読みたいし。
投稿者 midori : 10:25 am | コメント (0)
14 december 2008
電車大好き
手作り感あふれるイルミネーション。大がかりでなく、洗練もされていないが。しんみり心にしみる。これがどこの光か?わかったあなたは偉い。
電車、乗るのも見るのも大好きだ。
今は、ほぼ毎日、JRかモノレールのどちらかに乗っているのだが、電車に乗るのが好きでなかったら、千葉から東京への通勤なんかやってられない。
発車時のドアが閉まって動き出すまでの感じ。もったいぶった加速感と、だんだん増えていく線路の音にわくわくする。それと電車のインテリア(というより、パーツ?)。いろんな形の金属パーツが組み合わさって、窓枠や座席や網棚や手すりとなっているのだが、なめらかな金属が組合わさった接合部分をみるとときめく。違う方向から伸びた金属が隙間なくがっちりとかみ合っているところに人間の手の技術のすごさを感じる。窓枠の角が丸いのも、あと、車両の前後のドアのノブも大好き。てっちゃんの中に部門があるとすれば、よねは断然、角丸とジョイントくんだ。
東京駅の地下4階の総武快速線のホームから、ホームライナー号というのが出る。21時台の1本が特急「あやめ」の昔の車両で、それに乗れると「ラッキー!」と思う。昔の車両ってどうしてこんなにかわいいのだろう。網棚も窓も、座席も、それから洗面所やトイレもすてき。住みたいくらいだ。
ゴミを捨てようとしたら、車両のデッキに昔風のごみ箱が。職人さんが描いた風の丸ゴシック体の文字で、「くずものいれ」と。くずもの、だってさ。ぐっときた。
投稿者 midori : 03:39 pm | コメント (0)
04 december 2008
ご近所のおじさんに言葉をいただく
友人から旅の絵はがきが届いた。アンデルセンの故郷、デンマークから。今は長い旅行には行けない。かわりに、Googleのマップでアンデルセンの故郷、オーデンセの上空を飛んでみる。自宅にいて、心は世界を旅する。
短期間にいろんなことが起こったので、昨日の真夜中まで気持ちの整頓がつかないままであったが、本日朝から平常モード。このひと月ちょっと。失われた楽しみの時間を復活させよう!まずはブログから!
仕事がからまって、徹夜が続いていたさなかのこと。地元にたどり着きよろよろ歩いていたら、隣の通りにお住まいのいまださん(仮名)と同じモノレールに乗り合わせた。いまださんは数年前まで、大きな企業で人を束ねる偉い役をしていた方で、よねの住んでいる辺りのパトロール隊の隊長である。
「どうしたんですか?話をしてごらんなさい」
よねは、あまりにへこたれた顔をしていたらしい。世間話をするところが仕事の悩み相談みたいになってしまった。
このたびの仕事に何回も直しが加わって、なかなか進まない、という経過をかいつまんで言ってみた。いまださんにはちっとも関係のない話なんだが、関係ない人にだったら、だれにも言えない愚痴を聞いていただいても、ま、いいか、と思って。
「会社だと、一番下の社員がえらい残業していて、やっている業務の内容を細かく聞いていくと、真ん中のやつが上につなげる前に、よけいな気を回して、上から見ると無駄なことやらせてる場合がほとんどだ。高い見積もりのときは、細かく話を聞いていくと、必ず必要ない部分があって、それを省いていくとえらく安くなるもんだよ。まず、むだな時間を探しなさい」
モノレールは7分でよねといまださんの最寄り駅に着く。改札を出て、それぞれの家のある道を曲がるまでのほんの10数分の間だったが、なんだか、とても元気が出た。やっぱ、たくさんの人をしきっていた人は言うことが違う。行く先にかすかにうっすら灯火が見えたような気がした。そちらに向かって歩こう。
心が正しいと思う方、じぶんの思う方に。自分で行き先を決められるのが、フリーランスが会社員と徹底的に違うところ。自分で選べる。難しいことではあるが、これは喜び。