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似たような人、集まる

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パーツのひとつひとつに、設計図を書いて、縦棒と横棒がぴたっとはまる形を作った人がどこかにいるはず。こういう細かいところに心が宿っている気がする。いちいちじーんとしているのって、おかしいだろうか?
 ぎりぎりに年賀状が書き上がると、わざわざ都内まで出しに出かけていた。大きい郵便局から投函すれば、もしかすると早めに届くかもしれないと思って。ところが昨年はみごと失敗した。東京駅前の中央郵便局で30日に投函したのに6日過ぎに届いたという。翌年の仕事始めまで、放置されていたと思われる。
 今年は千葉みなとの千葉中央郵便局で出すことにした。住所は書き上がったのだが、切手をまだ購入していなかった。ついでに郵便局内のテーブルを借りて、切手貼りをさせてもらうつもりだ。
 高い天井と大きめのホールの右と左にエントランスが二つ。「中央」と名乗るクラスの郵便局って、どこもだいたい似たような設計で建てられている。よねはこのタイプの郵便局に行くとどうも、いつも、「くまのパディントン」とか、「ふたりのロッテ」とか、子供のころに読んだヨーロッパの児童書の中に入ったような気分になる。よねが窓口で切手を買っているシーンを、お話の挿絵のペン画の一部として描かれているみたいな、あるいは、映画カメラで撮影されているのを他の国の子供に見られているような、ちょっと変な気持ちになるのである。しかも自分の番が回ってきて、ちょっと高めのカウンターに肘を突く瞬間、なぜか心の中で「50円切手を120枚」などの注文を英語で言う準備をしている。変な癖といえば変な癖だ。
 植物の絵柄の記念切手が5シート半残っていたのを買占めた。残りはカモの切手で補う。
 ホールのあちこちに、年賀状用のスタンプがが準備されたテーブル置かれている。これも毎年、どこの郵便局でも同じ仕様である。椅子を一つ陣取った。はがきの山をリュックから取り出す。まず切手をシートからバラバラに切り離して柄別に積み上げる。ウエットティッシュを畳んで、切手を湿らす台を作った。切手を湿らせ、貼りを開始する。けっこう居心地よく、気分よく没頭できた。どこでも仕事場を開催できるし、集中できるのは得意技だ。気がつくと今まで空席だったよねのテーブルに一人、また一人とメンバーが集まり、年賀状製作コーナーは満席になっていた。
 テーブルが震えるので、ちらりと前の人の手元を見た。真白のはがきをたった今購入したもようで、ものずごい勢いで牛のハンコを押し始めた。住所もいまからこの場で書いて出して帰るつもりなんだろうか?
 横の人が「年賀」はないですかね?と、はんこの籠を探し始める。「これ、よかったらお使いください」隣のテーブルの人から助け舟。「うわー、よくできてますねー」「消しゴムで作ったんです」
 同類助け合うって感じで、和気あいあいな空気が流れてる。なんだかおかしい。
 残っていた仕事を外で片付けようとパソコンを持って出かけている。家では、母が大掃除モードに突入していて、パソコンつけるとなにかといちゃもんをつけてくるに違いない。カフェに寄る。勉強している人が結構な数いる。みなさん、避難してきたのかな。