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27 november 2008
プラグイン
ひさしぶりに、チームの仕事に加わっているのだけど、他の人の知識や技が自分の体のなかに入るのって、パソコンのソフトに新しいプラグインを入れたのと似ている。
クリエイティブ的な品質を維持するのっていかに大変か、仕事のふたが開くとわかる。体力との相談で、もちろん体力を取るのだが。作る喜びと健康って両立しないし、命と時間には限りがあるのが悔しい。自分が眠らないでいいサイボーグだったら、と思うこともある。
とにかく、手がけた物はどんなものでもいとおしいし、役に立つ子に育てたいと思う。一見無駄と思えることに執着して、迷惑かけたり、かけられたり。新しいことがつぎつぎに起こってしんどい。けど楽しいっす。
今週は、体力的に限界、というところまでがんばっても答えが出ないという急所を越え中だったのだけど、この曲がり角は、どこのクリエイターも会社さんも、ひっかかりがちなポイントなのだろう。会社員時代、悩んだりつまづいたりしたのと、今もまったく同じ感じで案件が難航している。今回はフリーランスという立場なので、役は別なのだが。この難所を上手に曲がれるプラグインあって、それを注入できれば怖い物なし、ってとこなんだろうな。そういうことを考えたのも貴重な体験です。
投稿者 midori : 12:18 pm | コメント (0)
19 november 2008
ぎりぎり選手権
どの仕事もご縁で自分に回ってくるのだと思う。どの役にも役がぴったりあう、自分の旬がある。どんなにうれしい仕事にも必ず次の世代に譲る日が来るのだ。だから関わっているうちは、100%がんばろう。
学校の仕事とデザインの仕事の山がこのところ同じ日に重なる。ありがたいことこの上なしなんだが、いっぱいいっぱいではらはらする日々が続いています。
とくに月曜日。午前中にクライアントさんに入稿、というケースがとても多い。
今週も、もう、だめかと思うくらいのぎりぎりぶりであった。
朝4時。目覚まし時計だけでは足りなくて、携帯のアラームも総動員でやっとベッドから出る。アラームは3時55分に「ハイホー」、4時5分に「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」、4時10分に「森のくまさん」。電話は離れた机に置いてある。鳴っては起きあがって、ボタンを探って止めに行く。この動作を3回繰り返して、やっと動ける状態になる。
すぐに着替えて仕事に取りかかるけど、ぜんぜんデザインはまとまらず、6時半を過ぎてあせり始める。
7時頃からようやく方針が決まった。ダミーの写真を雑誌から探してスキャナーで取り込み、7時半に朝ご飯を支度し始め、8時に食べ終わり、家族にコーヒーを出し、9時ごろ写真を貼り、文字原稿を流し、微調整が済んだのは10時半過ぎであった。
作ったデザインを送信するため、データを送信できるファイルに作り直す(書き出し、という)のだが、大きなデータなので、メールに添付するのが不可能ということがわかった。
ホームページ用にレンタルしているサーバーにアップロードして、お客さんにはそのアドレスをクリックしてもらう仕掛けを作る。アップロードには少し時間がかかる。パソコンの画面がアップロードのパーセントを示す画面で止まっている間に顔を再度洗い、歯を磨く。
メールを送ろうと慌てて操作したところ、うっかり、別のファイルに触ってしまい、開いてしまった。ファイルが開く間、パソコンは一瞬、仕事が進められない状態になる。
口では叫びながら目は画面を見つめ足はじたばたしている。開いたファイルはたまたま、一緒にデザインをしているアートディレクターの他のページのデザインデータであった。その瞬間に開くべきものではなかったのだが、そのデザインにはよねが朝から迷っていたことのアンサーが描いてあったのだ!
一目見て、そうか!そうすればよかったのだ!ということに気がついたからには、直さずにおられようか。いったんアップロードしたデータの作り直しをその時点から瞬時に決め、開始した。
InDesignを再び立ち上げ、元のファイルを開き、速攻で修正をする。写真の大きさを2カ所変えた。そしたらいくつかの文字のバランスも変えなくちゃならなくなった。不思議なことに、こういうときって、実力の3倍の速度で脳が回る。手がどう動けばいいのかを知っている。
受け持つ授業は午後1時から。12時45分に秋葉原にいるには、11時40分のモノレールがデッドラインだ。最おそでも11時35分には家を出なくては。
メールの送信ボタンを押し、学校に出かける準備を開始する。授業の準備と食糧と教材のデータをリュックに詰め、服を外出用に着替える。こういうとき、あまり服のバリエーションを持たない、というのはとても良い。おしろいをはたいている最中に時計を見たら、もう11時20分を回っていた。
携帯と定期と財布をバッグに押し込み、リュックを背負い、家から走ってモノレールの駅まで行き、さすがにものすごい長い階段は最後まで駆け上がることはできなかったが、とにかく全力疾走。JRの駅での乗り換えでも走る。全日本ぎりぎり選手権って感じだ。
12時01分千葉発の総武線快速に空き席を見つけ、そこに座った瞬間に、ほっとして眠くなる(もちろんすぐに暴睡。錦糸町まで30分の仮眠)。
時間が足りなくなるのは、自分の実力を過大評価しているから。ぜったいに良くない。でも、「追い込まれ」を経ないと、デザインが磨かれない気がするのには困ったものだ。
投稿者 midori : 10:17 pm | コメント (0)
12 november 2008
頭でっかち病
毎朝乗るモノレールのホームへの長い長い階段。4階建ての建物よりも高い位置に登る。持っている荷物の重さによるが、これを一気に駆け上がれるかどうかで、健康チェックになる。
今、仕事で行っている大学で二十歳前後の若者との付き合いがあるから、自分の大学時代を思い出さざるを得ない。
自分が作るべき、描くべきもの。それは世界を動かしちゃうくらいすごい作品のはずなんだけど、優先順位は提出課題やバイト、友達との付き合いのずっと後ろにあった。
野田秀樹好きの演劇少女の友達ができた。いっしょに芝居やバレエなんかに足を運ぶようになった。映画といえば、ビスコンティーやゴダール。暗くてかわいくない学生だったなあ。
しんとした部屋で催される不思議な儀式がコンテンポラリーアートと言われているのを知り、なんだか自分もゲージツ家になった気がしていた。
毎日が忙しく、騒がしく、大袈裟で、落ち着く時間なんて自主休講を決めたときだけ。知っていること、関わっていることの壮大な音量に自分を合わせるのに精いっぱいで、ほんとうの意味で何かを作り出すことなんて一度もする暇がなかった。それなのに、今思うと笑っちゃうけど、いつか人を驚かすのだと、本気でそう信じていたと思う。知っていることがうれしく、それだけで「選ばれた」気になっていたのだ。恐ろしいくらいの誇大妄想だね。今思うと。大学時代は4年間もあったのに、なりたいものにはなれずに、大人になった。
自分もそんなふうだったから、今の学生さんたちの気持ちが少しわかる。入ってくる情報と知識の量と自分のものを作る実体験とのバランスが取れない苦しみ。頭でっかち病だ。
未来を乗り切るために学ばなくてはならない技術、今の人たちはすごい選択範囲が広い。全体の概要をざっと探索するだけでもすぐに2年くらいは過ぎる。どれかに集中したくても、次のソフトを習っているうちに最初に覚えたことを忘れる。ひとつを深く突き詰めるられるのは、大学入学前から何かを動かしていた経験のある、一握りの早熟な生徒たちだけの特権だ。普通の子どもは、覚えた技術を使って、課題をこなすだけでいっぱいいっぱい。質を「磨く」時間がなさすぎる。「おれのはだめだー」を連発しているうちに、作品を人に見せられなくなっていく。
頭でっかち病の特効薬は、まめに作品をアウトプットするに限ると思う。簡単でも小さくてもいいから、完全に自分の手で一作を作り通してみる。とにかく作品を完成させること。最初の目標は人に認めてもらうことではない。まず自分で達成感を味わうこと。
タイムマシンがあって、今、二十歳の自分に会えるなら、耳元でそう言ってやりたい。
投稿者 midori : 07:56 pm | コメント (0)
10 november 2008
EMOBILE入りました
どの課題も授業で出題して生徒に作業させる前に必ず自分で検証してます。20ページの絵本のイラスト描きはスケッチブックに割りばしと墨汁で。
いま、大学の帰り。総武線の中から投稿してます(ただいま船橋停車中)。かねてから検討していたEMOBILEに入ってみました。去年の今頃は、まだよねのうちのあたりの千葉市は、モバイルの範囲でなかったので、試したかったのだけど導入を見送っていました。
このたび、料金がぐーっとリーズナブルになったのを機に、思い切って契約してみた。夏の講習会の生徒さんの中にたまたまEMOBILEにお勤めの方がおられて、勧められたのも大きな動機。
ダウンロードとかはちょっと時間かかるのだけど、以外にさくさく使い心地はわるくありません。少し、投稿が頻繁にできればなあ。