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21 september 2009
過去を整頓するひとつき
イケアの家具を自力で組み立てました。一枚一枚の板が立派なので、ものすごい体力を消耗。だけど楽しくて夢中に。ネジやパーツが上手に設計されていて、しかも組み立ての説明書がグッドデザイン!家具作り好きかも。これからイケアの家具購入予定の人手が足りない人、組み立ての日には、ぜひ呼んでください!
新しく生まれ変わりました。そんな気分です。
よねの寝室兼仕事部屋、家族からは「洞窟」と呼ばれていました。背の高い本棚と本棚の隙間で眠ったり、原稿書いたり、マウスを振り回したりのすべてを行ってきたのです。打ち合わせや大きな紙を拡げなきゃならない、ある程度のスペースが必要なシーンでは、取引先の会社のスペースを借りたり、都内のキンコーズとリスマチックを渡り歩くことでなんとか用が済んでいました。最近のかっこいい言い方でいえば「事務所をあえて持たないノマド」ってスタイルなんでしょうが、よねの場合は、家賃をケチった節約方式のまま進歩がなかっただけで、電源が挿せる場所を探しノートパソコンをいろんなところで開いて、それで何年もしのいできたのです。
千葉市に拠点を移してそろそろ10年になるのだけど、前のすみかからの遺産をそのまま自室に運び込み、捨てずに貯めたままでした。ところがある日きゅうに、心境の変化が訪れました。
「物を減らしたい、軽くなりたい」
いろんな動機があります。ひとつは、20代半ばから40歳になるまで14年間在籍していた会社が、今年の初めに業をたたみました。よねの心の中でもひと時代が終わった感が今ごろツーンと胸いっぱいに広がって、ちょっぴりしんみりしましたが、なぜかやがて、「宝島」という昔のアニメのテーマソングが頭の中に鳴り響き始めました!
さあ!いこう!夢に見た島へと!
波を越えて風に乗って海に出よう!
行く手には、みんなまだ知らない、
不思議な●●と●●●が待っているのさ!
*「宝島」のテーマソング。●部分が思い出せません。どなたかご存知?
とっくに辞めた会社なんですが、不思議なもので、自分が関わった仕事のことを心のどこかで自分の子供のように気にかけていたようです。母親が子供の小さなときに描いた絵や洋服を取っておきたがるように、よねも、物を作る際に集めた材料やデザインのソースを捨てられないまま今に至っていました。つまり、過去に執着があったわけですな。それをきれいに整理したいなあと強く思うようになりました。
それともう一つの理由です。そろそろ家に人を呼びたくなったのです。きれいでなくても、かっこよくなくてもいいんです。ただ、よねとよね以外の人が向かい合わせにくつろいで座って、製本やデザインの話をして注文を受け、お茶を飲むスペースぐらいは、うまくすれば作れるんじゃないか?思い立ったら実行せずにはいられなくなりました。
雑誌やテレビの特集みたいな大掛かりな手は入れられませんが、思い切って大工さんに入ってもらって、最小限の改装を注文しました。たかが「押し入れの中段を取る」ということだけなのですが、始めてみるとそれはそれは恐ろしいことになりました。
いったん、部屋の中身をすべて別室に移して部屋を空っぽにし、工事が終わった部屋に家具を並べ直しました。物を部屋に運び込むときに厳しく選別査定を行いました。目標は本も衣類も仕事の道具も、鞄や帽子など身の回りの持ち物も、すべてを半分に減らすこと。ひとつひとつの場所を決めるのにも時間がかかり、全部があるべきところに納まるまでに1か月かかりました。やっとこうしてブログを落ち着いて書けるまでになったのです。ふう。
人に譲るもの、売るもの、捨てるものを分け、一つ一つの物の埃をぬぐって、ビニールをかけていきながら、いろんなことを考えました。とくに、人生の優先順位について。
いろんなものを手放すことになりましたが、不思議と寂しい感じはありません。むしろ、大切だった道具や物を手放すことで、ぼんやりしていた「これからすべきこと」がクリアに浮き立ってきました。
投稿者 midori : 09:18 am | コメント (0)
10 september 2009
ギフトショウでいいものみたみた
浮世絵のいい展覧会が多い千葉市立美術館は古い銀行の建物をリユースしている。「肉食わせろー」 輪っかをくわえて困った面がかわいい、美術館の扉のドアノッカーズの2匹。
新しくビジネスを立ち上げたいという知り合いを道連れに、お台場のギフトショウに出かけました。広ーい会場でなるべく多くの収穫をあげるには、ひとえに体力体力。集中力が繋がっているのは最初の2時間だけです。後半は意識もぼーっとなって、何をみても最初の驚きが失せてしまう。過去数回の経験をもとに、今回は今までになく、まじ。見たいエリアをマップに赤丸で印して、時間を計りなから回りました。
*出会った発見といいこと*
1.キャンドルがグリーティングカードにセットされたもの。
「これ、どこで買えるんですか?」
「まだ、どこにも売っていません。昨日できてきたばかりなんです」
東欧の絵本みたいなパッケージがかわいい、アイデアばっちりの自信作を並べた夢いっぱいのグラフィック・デザイナー3人組。
2.「あっ!さわらないで!」(えっ?だって、商品の展示じゃないの?)
羊毛を丸めたもので毛玉作った動物。リアルで愛らしい動物や鳥を庭や近所の自然の中で撮影した写真と動物の実物展示。デジタル上でイラストを描いていたが、飽き足らず、ついに立体化。売るつもりはさらさらなく、動物はみんな一点もの。ショップのディスプレイや写真の仕事を注文されたいそう。神戸で独りで活動。なんとかこの動物だけで食べてるそうだ。すばらしい。商売でなく、展覧会みたいな感覚で参加って、思いっきり目立つ。いい思いつき。
3.台東区のグッズショップ。指物師さんとの合作のおもちゃや家具、ブリキ職人さんとの合作の箱、オニオンペーパーのノートなど。プレゼントされたらうれしいものが並んでた。高いので自分用には買わないだろうけど、うんとかわったものをしまって、人に贈りたい。
4.目黒のホテルのお土産売り場のブランド。バスケットや子供の帽子、キャンドルなど、洗練された品々。時間をかけて、丁寧に仕事するってことの大切さを感じる。
5.「Flip me!」と表紙に貼られたちいさなメモパッド状の物体。ぱらぱらぺーじをめくるとなんとぱらぱらマンガ!「キングコング」とヒッチコックの「北北西に進路を取れ」の2冊を「サンプルに買いたい」といったら、「5さつがロットなので、バラでは売れません。でも余分があれば差し上げられるかも……」結局2冊ともいただいてしまった!
手のひらに納まるちっちゃな本。大学の今年後期の授業の課題はこれに決まった。