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製本工房リーブル

120117.jpg一億前後賞あわせて3000万円!って壁におおきく書いてはってある、たからくじ売り場です。おばさんが撒くごちそうにすずめ大喜び。大にぎわい。このかたを「すいどうばしのしらゆき姫」と名付けたい。
 大学のグラフィックデザインの演習授業が佳境を迎えた。わたしの受け持ちのクラスの学生は全員、本のデザインが最終の作品の課題です。なんと、学生はほんとうに本物の本を作る。手製本で。
 その材料を調達に水道橋へ行った。後楽園のお向かい、白山通り沿いに「製本工房リーブル」っていう製本材料店がある。

 ここは、製本教室も運営していて、よねはここで製本を覚えた。まだ、会社を辞めたばかりで学校の先生もなっていなかったころ、週3か4のわりで、通い詰めた。
 その頃は「製本職人」に憧れてた。やみくもに手を動かしているばかりで「食べていく」っていう意味がちゃんとよくわかってなかった。
 1冊の本を作るのには、設計して材料を集めて、どんなにテキパキ動いて失敗なく進んだとしても、2日か3日はかかる。本の単価って1000円ぐらいのもの。これを2万円とかで買う人はたまにしかいない。業としてはなかなかなりたたない。職人道をあきらめたわけではないが、きちんと収入の道がたつまで、製本は「娯楽」として長くゆっくりおつきあいしよう、と考えを変えた。

 現在は、学生の作品が仕上がる毎年この季節と、特別な本の注文があったとき、年に数回、不足した材料を調達するために足を向けるだけになっている。
 製本の師匠の岡野先生に新年のあいさつをした。

 曇りでものすごい寒さ。エレベーターを降りてひさびさにリーブルの階に降りてみると、チューリップとムスカリ、プリムラなんかの鉢植えが看板の周りに飾られて、かわいかった。売店の橋村さんの心遣いだろうな。
 なん十年も変わっていない古い工房、大好きな場所なんだが、いつまでこのままでいてくれるかしら?
 よねがゆったり、この工房で本をかがれる日はいつくるのか?
 がんばって仕事して、早くここに戻って来よう。