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おもいっきりアナログカルチャー

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皮がはがされ、昔のビルが陽にさらされてる。ひゃー。こんな丸窓がついていたんだー。中にファントムが住んでいそう。改修工事中のJR秋葉原駅の壁。
 大学の後期の授業が終了しました。成績つけに真面目に取り組んでおります。
 今年も大学の授業では本を作りました。じっくり取り組まないと気が済まない、職人気質の生徒さんが多く履修していて、嬉しいながらもちょっぴりはらはらしていた数ヶ月でした。
 今、大学から宅急便で生徒の作品が届きました。金曜日に遅れて提出してきた何人かの分なのですが、すべりこみセーフ!で間に合いましたね。

 届いた最終の課題作品を開いてみると、生徒の仕事はびっくりする愛情の濃さで、仕上げられています。これくらい濃い愛情だと、自分ばかりか、人のためにだって役立つことができるだろう、と嬉しくなります。
 内容は「自由」だと言ったので、マンガやノベル、絵本もある。お話に自分で挿絵を描くのが夢だった人もいるし、写真集を作った人もいる。イラスト集に仕立てて、自分のスケッチブックの住人を大放出した人もいる。あと詩に自分ですてきな画像を組み合わせる編集デザインをした人もいます。
 今の時点でのそれぞれの「自分」がしゃっきりと描かれていて、それが夢でも想像でもなく、ちゃんと手で触れられる「もの」としてちゃんと実現しています!。そして生徒は知らない重大なことがまだあります。作った「もの」は、この世に存在する以上、作った人が知ろうが知るまいが、「もの」に与えられた命の限りを尽くして「伝える」という仕事をするのです!
 本心では、グラフィックデザインの教科書に載っているみたいな、マークやロゴのデザインや、カタログやパンフレットの紙面を課題に出した方が生徒の得になるんじゃないか?という問いもあります。「デジタルテクニックのガッコウで今どきアナログなカルチャー。これってどうよ?」今回もスタート時には、かなりぐだぐだ迷いました。
 授業では本と印刷の業界のルールと言いたいことを伝えやすくするグラフィックデザインのコツは押さえていますが、ベース作品部分を生徒はやりたいように作りまくるので、作品は見応えありますが、ちっとも社会的ではありません。就職活動のファイルにはおそらく入りません。
 まあでも、この道を選んでしまったからには、「自己満」あるいは「くだらない」に終わらないように、「商品」にするつもりで、と生徒さんたちには言いってます。うまく火がつくと、信じられないくらいの分量のデータを制作することになります。(パソコンがぶっ飛ぶ生徒も何人か出ます。そこで生徒はバックアップの大切さを学ぶ)。その汗と涙と経験と仕事量は間違いなくスキルと自信になると思います。

 自分をとことん愛すると自信が出るし、自信が出ると次すべきことに進める。(一気にゴールにたどり着けるほうがまやかしかも)それって、実際やってみないと永遠にわからない。どうしたらいいかわからなかったら、とにかく作ってみよう。作ればわかる。

 この表現を踏み台に、少年時代からジャンプして、先に先に進んでほしい!