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サラリーマン時代の台風の日の思い出
雨が来る。雨が来る。舞台の書き割りみたいなもくもく灰色の雲からおたまじゃくしのような大粒の雨。
昨日夕方、本日朝とすごい雨が降りました。千葉市内では道路や線路が冠水し、交通も一時ストップするというひどいことに。みなさんの住む街では雨、大丈夫ですか?
大森に事務所があったころの話。朝、通勤時にものすごい雨が降っていた。ようやく会社に着く。
日本のサラリーマンってすごい。台風なのに、台風で欠勤する人など一人もいない。窓打つ嵐などどこ吹く風。なにごともなかったかのように、ふつうに仕事が始まっていた。
ぼろぼろで職場にたどり着いて、ぜいぜいしているよねのほかにもう一人、普通でない人がいた。ふくちゃんと呼ばれていた、ちょっぴり周囲から浮いていた(いい意味も含めて)女子社員だった。中途採用で入社し、しばらく別の事業所に勤務していたのだが、他の女子社員ともめて最近よねと同じ職場に異動してきた。前の勤務地のときは、毎日、車で彼氏に送り迎えをさせていた逸話がある。ふくちゃんはこの朝、オレンジと黄色の縞のムームーみたいなタオル地のワンピース姿で、ストッキングも靴も脱いで、ビーチサンダルをつっかけてコンピューターに向かっていた。女の部長が気がついて「ビーチサンダルで仕事に来るとは何ごとですかっ」と叱った。
ふくちゃんは「だって、靴びしょびしょになっちゃったんでー」と口答えした。ちなみにふくちゃんがはいていたのは、会社の商品企画部の棚から探しだしてきたと思われる自社製品のビーチサンダル(ビーチサンダルも作っていた)のサンプルである。
ふくちゃんを目の敵にしていた女部長は「あなたっ!反対よっ!。会社まで濡れてもいいので来て、会社で普段の靴に履き替えるものでしょっ」とふくちゃんを怒鳴り飛ばした。
やっぱり中途採用で、この会社の習わしに何年もたつのにまだ慣れてなかったよねは、横で聞いていて、ちょっと感心した。そうかあ。土砂降りの日は、どうせ足が濡れる。女子社員たるもの、会社まではサンダルをはけばいいのか。ビーサンかどうかはともかく。
いろんな人が働いていて、楽しかったな。