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フォントものがたり /著作権の話

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ともだちの宝物をみせてもらう。ラオスから持ち帰った、ねことぞうのコースター。あきらかに手仕事。ぬくもりがかわいくてかわいくて。
 モリサワという文字の会社があって、本日はフォントの話を聞きにいってきた。フォントの著作権の話。
 印刷物や映像に使われている文字の形は、一文字一文字をだれかがデザインしたものなんだよ。だから文字には、著作権がある。デザインをしたり、本を作ったりする人は、お金を払って文字を買ってきた。
 文字に料金がかかっているなんて、知らない人もいるでしょ。パソコンやソフトを買うと、いっしょにパックになってるから、気がつかないかもしれない。あと、ただで使っていい文字もあるしね。でも、たいていのデザイナーは文字にものすごく神経とお金を使う。文字は形にキャラクター性を持っているから、うまく種類を選ぶことでムードを作ることができる。ビジュアルを作る仕事に就くと、たいていの人は無料の文字だけではもの足りなくなるのだ。
 文字にはいろいろな「字形」があり、意味を伝えています。そのデザインのことを「字体」という。似ているからややこしいのだけど、字体がかもしだす表情の種類のことを「書体」と呼んできた。「書体」がパソコンなんかで使い回しのできるデジタルデータに置き換わると「フォント」という単語に変わります。もともとは同じデザインの欧文活字のことをさす言葉だったのだけど、日本語で「フォント」っていえば、デジタルの文字のデザインのこと。頻繁に使われるようになったのは、パソコンが普及して、Adobe社がIllustratorとPhotoshopを開発してからです。
 モリサワって会社は日本のフォントメーカーのひとつで、昔からデザインしてきた印刷の活字から写真植字を作り、写真植字をデジタルのフォントに置き換え、文字を時代に合わせて育ててきた。
 一口に「作りかえてきました」といっても、それは大変な仕事で、なぜかというと、日本語はむちゃくちゃ字体が多いから。どのくらいの種類を作んなきゃならないかというと、ひらがな、かたかな、数字とアルファベット、簡単な漢字、それと難しい漢字、記号なんかも全部あわせると1セットに2万字以上ある。 そいつらをこつこつ、コンピューターの性能に合わせてデジタル化しつつ、新しいデザインも開発してきた。フォントのにかかる費用はその労力に対しての対価である。
 受け取る側の状況に応じて、文字のデザインも使用する条件も変わる。パソコンが新しくなったり、画面がコンパクトになったり、携帯でも文字を受けたり送ったり、と、何かが進歩するたびにフォントの境遇も変わってくる。そうなると、どこまで著作権が生きてて、どこまでがフリーか?という線引きが謎だった。
 モリサワさんに教わったことをそのまんま書くと、アウトライン化やビットマップ化など画像化された文字に関しては、ご自由にということです。ただし、文字に手を加えないでそのまま、会社のマークに使ったり、商標に登録するのはNG。商標登録されちゃうと、もう、その形と同じ形状のものを他の人は自由に使えなくなるものね。
 それと、今はFLASHのサイトなんかで、フォント情報を受けた側で操作するなんてことがよくある。ダイナミックテキストっていう機能を使ってその仕組みを作るのだけど、その場合は注意が必要です。今、決め中ということでしたが、Webサイトでも著作権のあるフォントを受け投げするようになると、別途料金が発生してくるそうですよ。