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悩む力
移動距離が長いので、駅のお手洗いのお世話になること多い。個室の真正面に貼られた駅長からのメッセージ。トイレの落書きとしては今年BESTの出物。なんかかわいい。で、思わず撮影(←ばか)。沿線にあるI高校かO高校に通うギャルのしわざだと思う。
このごろいろんな人に勧めまくっているBook。今のところ2008年の心部門ベスト。姜尚中(かんさんじゅん)という東大の先生の「悩む力」(集英社新書)。
偶然にも本を読み始めたちょうどそのとき、著者が爆笑問題のインタビュー番組で取材された。しゃべるかん先生は落ち着いていて静かで優しそうであった。テレビでは秋葉原の殺人事件のことを語っていた。あの事件は政治がおこした事件だと。開いていた本の内容がよけいに心に響いた。
悩みってどうして起きるか、悩む人の可能性みたいなことが、静かにおちついたテンポで語られている。「超なんとか」とか、「なんとかパワー」みたいなスーパーミラクルな方法論ではない。人として当たり前のことが、改めて語られているだけ。病気の人の特効薬にはならないと思うが、悩み抜いたかん先生の「悩む時間全肯定」の姿勢の力強い応援に、かなり元気をもらえると思う。
悩むのって、ちょっとかっこ格好悪い。それから時間の無駄、みたいに思われている。けれど、悩みって、実は人間が年を重ねる過程で絶対に必要な時間なんじゃないか?と、かん先生はおっしゃる。それから、悩みすぎると病気になったり、うまく働けなくなるのは、人間の体の仕組み上仕方ないことだと。悩みから逃げようとするんではなく、悩みととことん向き合い、自分なりのレベルで悩みの上に生きていけ。
『自我というものは他者との関係の中でしか成立しないからです。すなわち、人と人とのつながりの中でしか「私」というものはありえないのです。』(「悩む力」より)
悩んでいる人にも、社会活動と自分との接点はきっとあるはずだとよねも思う。今よねが生きている地点も懸命に探し当てたすれすれの接点だ。
会社なんかで悩んでいる人は、接点が自分の周りにないだけだと思う。接点をさがして、いずれ今の場所を出て、自分からそのポイントめざして歩いていけばいい。
励まされたみたいな気がして、よねは正直、なんかうれしかった。