« ニコ・ビロスマニと梅雨のおでかけ | メイン | よね、青色申告会へ行く »

国際子ども図書館

080728.jpg
「店の主になるんなら、こんな店!」夢のリトルショップ・リスト第一位、シンガポールの「Wardah Books」。こんなにかわいいのに、イスラム教の本を扱う専門書店なのだ。
 国際子ども図書館は上野の森のはずれにある。石造りの建物は旧帝国図書館を改造したもので、館内全体には素晴らしい格調が漂っている。貴族のお屋敷みたいな手すりや壁と高い天井は、どんなビルもカフェもかなわない。プラス、すごい静か。物語の中に入り込んだみたいなムード満点の場所である。夏休み中はけっこう繁盛していて、利用者は大人1、子ども2、というところ。本好きな子どもがちょっと興奮気味に円形に並んだ本棚のラビリンスを回遊している。本たちもなんでもない日よりもうんとうれしそう。壁際の子どもサイズベンチは満席で、熟睡しているちいさい子を膝に抱きながら、お父さんやお母さんがジーっと子供の本に読みふけったりしている。
 メインは子供の本が詰まった図書室だが、ほかに、展覧会などの催しに使われる展示室やスクリーンのある上映コーナー、しゃれたテラス付きの明るい食堂や、常時LANがつながったパソコンが置かれたレファレンスコーナーなど、よねが必要だと思うもののほとんどが備わっている。本棚には大好物の絵本や少年少女用の物語本が詰まっているし、いうことなしのパラダイスである。夜は入れないのだが、このごろ週に一度くらいのペースで、学校の仕事の前後に2~3時間の余裕を取って、上野まで足をのばす。
 よねのこども図書館利用法は絵本を探して読んだり、明るい食堂でお茶をしながらパソコンを広げたりするだけにとどまらない。脚の短い子供用の椅子に座って、こどもが絵本をめくる姿をぼーっとながめたり、隣のお父さんが物語を読み聞かせをしている声を、子どもたちと一緒に聞きながら、うつらうつらしたりもする。
 南風堂もそろそろ夏休みシフトに入る。大学の授業期間中には時間をかけられなかった仕事が山積み。この夏はそのほかに、ちいさいこども向けの本を作ろうと思っている。絵本になるのか、普通の本になるのか、玩具の延長みたいなものになるのか、まだ決まっていない。小さな目と心を喜ばすことができたらなあ、と、絵本をつかむ小さな手を見ながら妄想している。