ビジネスについて考える
先週末から集中して、「ネット起業」系の本を4冊まとめて読みました。ビジネスマン御用達の大きい書店の「起業・開業」コーナーに並んでいた本の中から、発行年月日が新しいものだけを選んだ。
「個人で挑戦するネットビジネスって、どんなやり方があるんだろう」という、素朴な興味から。わたしも独りで仕事している派ですが、自分のやり方はだれにでもおすすめできるほど楽じゃない。でも、後から人は続く。
いったん仕事をやめた主婦や病弱な人が、普通の仕事よりずっとハードなネット系デザイン系の会社に採用される可能性はとても低い。ハンディがある人でも、なんとか食べていける確実なビジネスのモデルはないものでしょうか。自分の部屋で仕事している他の人は、どういうビジネスしているんだろう?と思って。
4冊ともとても文章力のある方が書いていて、読みやすくわかりやすかった。サクセスストーリーとしてなら、文句なしの良エンターテイメントだったけど、ちょっと苦い思いが読後に残りました。ですので、本の名前は紹介しません。
「アファリエイト」について、どの本にも語られていた。サイトに張り付いている広告で収入を得ることだっていう言葉の意味は知っていたけど、それがどうして生活できるまでの収入になるのか、具体的にどういうトリックをしかけているのかは、今まで詳しくは知らなかった。
ちなみこのページにもアマゾンのタグが貼り付けてある。こういうバナーにはたいていプログラムが仕掛けてあって、たとえばアマゾンのシステムは、もしも読者がこのバナーに書名を入れて、検索してくれて、そこから購入してくれると、本の値段の数パーセントがよねに還元される仕組み。(とはいっても、このサイトのアマゾンバナーはほとんどよね自身のために働くのみ。1年間でけっこうな額の本をアマゾンから買うので、4ヶ月ごとにほんのちょっぴり還元がある)。そんなことぐらいしか知らない。「ひゃあ、世の中でこんなことが起こっていたのか」とちょっとびっくり。
訪れる人を増やすためにコンテンツを工夫して、堂々中身で勝負しているアファリエイターもおられることだろう。広告のデザインやプログラミングを仕事にしているクリエイターだっていっぱいいる。広告やアファリエイトを否定するつもりはない。でも志の高くないアファリエイターがそれ以上にいることに恐怖を感じる。
ヤフーやグーグルなどの検索で優遇されるために、堂々インチキサイトがアップロードし続けられている。また、むやみに自分とは関係のないメールが山ほど届くしかけも、それをクリックするだけで、アファリエイターにどのように還元されるのかも、本にはリアルに語られていて、暗い気持ちになる。金融や風俗などの広告以外には役割をもたないページが毎日何百何千も生産され、意味のないページにネット全体がかしいでいる。
教え子たちが泳いで渡っていかなくてはならない未来の海。泳ぎきるための基礎の知識と体力をちゃんとつけて欲しい。心から願う。
よねにとって、アファリエイトは「なんとかドーナツ」みたいな印象だ。いま現在は、すごくおいしいんだろうけど、ちょっと未来で同じ方法は使えない。筆者たちは「こんなにおいしい」と軽く言ってのけているが、じつはものすごい働き者。それに実作業にはWebの専門知識と根性、こまめさが必要。時間と戦える人だけが生き残れる厳しい世界だ。ここも。