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福原信三と資生堂展
みうらじゅんの「かってに観光協会(K.K.K)」の宣伝部版。よねたちのサークル”ものつくりクラブ”の「かってに広告協会(K.K.K)」。としまえんのエルドラド編のイベント「エルドラド生誕100年ビアフェスタ」終わりました。
10月の連休の最終日は朝から雨。風も強い。出かけるのには勇気がいって、ぐずぐずしているうちに、東京方面への快速電車ぎりぎりの時間になる。砧公園周辺を歩くことになった場合を想定して、ブレーカーとレインシューズの完全防備で家を出た。用賀に着くころ、雨は上っていた。世田谷美術館の福原信三と資生堂展(11月4日まで)を見る。福原信三の写真もよかったが、イラストレーター山名文夫の原画に圧倒される。
パソコンの線じゃない、人の手の圧力のかかった線。顔をうんと近づけてみると、カーブのいちばん緊張の部分はゆらゆらしていたり、ふつうに考える軌道よりちょっぴり膨らみが大きかったり。生き物みたいだった。パッケージも印刷もこの時代は、デザイナーが書いた下絵をそれぞれの行程の職人がその仕事の道用にトレースして加工した。できあがった製品は、いろんな手を経た、仕事の結晶なんだよなあ。携わった人たちの気持ちが伝わる。
資生堂の人でない美術家の目で選んで並べられると、商品もカタログや店頭で見るのとは全く違う生きものに見える。展示されていたのと同じ製品やパッケージ、使い終わるとぽいぽい捨てていたが、作られた器や道具って時を語る「美」なんだなあと感じる。
山名文夫の成城のアトリエが会場内に再現されていて、それもとてもよかった。山名文夫が愛した家具は当たり前なんだが、スーパーデザイナーの設計した昆虫みたいなパーツのブランド品なんかじゃない。たくさんの曲線がその上で誕生した机は、まっすぐで質素な木製家具なのであった。
世田谷美術館のあと、としまえんのエルドラド生誕100年記念イベントの最終日に。アコーディオンの音色を聞きながら、ビールを乾杯。閉園時間までいた。夢中で遊んだ行事がハピーエンド。夏が終わった。
次の目標はエルドラドの生みの親、ヒューゴ・ハーゼについて調べること。何かに首をつっこむと、つぎにするべきことがわかってくる。予定を立ててない旅をしているみたいな感じ。
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