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千葉市立美術館

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一枚の紙から頑丈な3Dが生み出される仕組み。うーん。すばらしー。しかし、ボックスすべてをコレクションするわけにはいかない。燃えるごみの日の朝、分解してよーく眺めてから捨てる。
 先週の金曜日、東京に出る前に小一時間の空きができたので、千葉市の市立美術館に寄ってみた。
 「都市のフランス 自然のイギリス」。18・19世紀の印刷業がぐんと発達したころの風景画と挿絵本の展覧会。あと、近代日本画の企画「若冲とその時代」の2本が同時開催中であった。
 パスポート制度というのができていて、これは、3000円で会員になると、一年間何回入館してもただ!というとってもうれしいルールだった。ちばびいのパスポート、さっそく購入しました。
 ふつうの人々が絵を楽しむようになって、古典的な技法で描くことがきまりだった風景画がどんどん変化し、やがてモネがノルマンディーの海岸で「光」のようすをカンバスに納めるあたりまでの風景画を並べた企画でした。50年くらいの間に、ばーっと世の中の流れが変化していった感じが肌で伝わってきた。
 権力とか富とか一流とか威厳とか格式とか、そういうものが風景絵にも求められてた時代から、時は移って人々は、絵に別のものを描くようになったのだ。そこから流れてくる、きもちいい空気とか幸せな雰囲気とか、光とか風とか、自分たちが夢見るものを絵に欲しがるようになった。絵がのびのびとしていて、明るければ明るいほど、騒がしい時代だったのだろうなあという感じが伝わる。いっぺんにいろんな人が移って、開かれて、いろんなものが切り倒されて、ひっくり返って。
 たまたまなんの予備知識もなく飛び込んだ先で、こんな展覧会に出会う不思議を感じる。かねてから宿題だった、としまえんの回転木馬、「エルドラド」のことを調べようと、ちょうど「Fairground Art」という本を読み解くのに熱中していたところ。エルドラドが生まれたのは「ユーゲントシュティール(フランスのアールヌーボーのドイツ語圏版。エルドラドを作ったのはドイツ人)」の時代。この展覧会と時代も舞台もだぶっている。すごいシンクロだ。