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カントリーロード
田んぼに水が入り、田植えの準備。よねの家から車で30分も走ると、こんな感じののどかな日本の里村風景に出会える。だからChibatyはやめられない。
千葉には大多喜という場所があって、ここにはハーブアイランドという農園とか、ちっちゃな旧跡などがちょこちょこあり、一息つきにドライブによく出かける。この日のドライブですごい大発見があった!いすみ市荻原にある天台宗の学問寺「行元寺」を、発作的にたずねる。武志伊八郎信由という彫師の手なる欄間を見た。
お昼ごろ、狩野派の絵を求めて入った小さな美術館で、伊八作のお神輿に釘付けになった。館内においてあったパンフレットに「波の伊八」の紹介が載っていて、伊八の手仕事が現存する房総の寺がいくつかあるということがわかった。その中の一つ、行元寺はこのすぐそばらしい、ということを知り、その後の予定を変更して、美術館の方に教えてもらった寺に直行した。あいかわらず無計画。けど、この日はそれが幸いする。
噂の彫刻は、仏間の隣の和室のふすまの上に、普通のお宅みたいに、あまりに普通にはめられていた。
大波の間に宝の玉が浮き沈みする一瞬をとらえたものなのだが、たたみに正座して見上げると、それが厚さたった十センチほどの木に刻まれたものとは信じがたいくらいの立体感で盛り上がって見える。止まっているはずなのに、浮かんだ玉が波の上を滑っていくかのような臨場感。まろやかな曲線で彫られた波頭と海水の流線の鋭さのメリハリがなんとも目に気持ちよくて、ずっと泳いでいたい感じなんである。
江戸時代「東に行ったら波を彫るな」と歌われたくらいの名人「波の伊八」は、ここいらの名主の子だったそうだ。馬で外房の海に駆けつけ、波を観察してたという。きっと馬で入れるぎりぎりのとこまで、水に入って波に見入ったんだろうな。
この彫刻はなんでも葛飾北斎が「神奈川沖波裏」のソースとしてインスパイアを受けた作品、と聞いてきたのだが、実物を見てびっくり。(写真撮影できなかったので、こちらを!)
欄間の裏側の左端のすみっこで、ほんとにほんとに北斎の浮世絵で見たことのある、あの波が「ばしゃーん」とはじけているのである!!こういうの好きな方は、もう、一見の価値ありです!!
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