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フルカラーバージョンの人生
発車を待つ国際特急。ウルトラマンみたいですごく速そう!だが、実はあんまり速くないらしい。友人の話だと4回乗ったうち、1回しか時間通りに着かなかったって。すごくカッコいいのに、肝心ななにか抜けてて、ちょっと残念な男子、っぽい。
旅行をきっかけに、母の病気が発見されまして、母の手術をきっかけに、よねは主婦新1年生になりまして、いろんなことを知ったわけです。
タケノコご飯の作り方や、どこに洗剤の買い置きや、お客用のシーツやタオルがしまってあるか?とか、何曜日と何曜日に牛乳の配達が来るか?とか、家のお金がどの通帳から引き落とされるか?とか、この料理とこの料理を二ついっぺんに作るにはどのくらい油をひけばいいか?とか、洗濯と掃除機と皿洗いと戸締まりを全部終わらせる所要時間はどのくらいか?とか、キャベツ1個、卵1パックがなくなるまでに何日かかるか?とか、これくらいの風だとあとどのくらいで洗濯物が乾くか?とか。
でも知ってなによりよかったのは、これまで、自分がどれだけ支えられて来たのか?支える人はどれだけ大変だったか?それから、支えになれる(役に立てる)ことがどれだけうれしいことか?ってことです。
人って、骨や筋肉みたいなもので、ある程度の重圧で何かを支えていないと弱くなる。適度なストレスは必要だと考えます。果たすべき責任をのがれている人は、その負い目で、みずから、自分の器にに合わないストレスを買って出てしまうのではないか?とさえ、思います。
今まで、子育ても奥さん業もする必要のなかったよねは、お嬢のまま大人になってたってことがわかった。自分の欠けている点をこのたび、自分で取り戻すことができて、たいへんではあるのですが、来てよかった〜という感じです。このところのさわぎ全体をも旅だとすると。
いくたびもの「たいへん」を乗り越えて今や、いままで見ていなかった色が見られるようになったわけです。ふつうの暮らしの尊さは、今まで可視域からはずれていた幸せ色です。256色しか表現できなかったのが1026色出せるようになったようなものです。なんと世界はカラフルなことか!