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『THE GINZA WAS.』
「聖」というワードをキーに課題を出した。今朝、メールで送られてきた生徒の作品をチェック中、笑っちゃう「聖」作品に混じって、イラストレーターの友人からのメールが。「天使の画像を探していて見つけました。とても良かったので、オススメです」偶然な「聖」つながり。きれいな声を聴きながらシンクロの話をどうぞ。
ときどき、起こる関係ないことの不思議な一致。シンクロ。ただの偶然なんだろうけど、よねは、いつもなんか大切なことのサインだと受け止めている。
最近受け止めた偶然の話。
フリーランスになる前、よねが14年間勤めていた会社が、今年始めに業を畳んだことは前回書いた。親会社があるので倒産とかではないけど、たくさんの人が職を失う。遠くからいろんなうわさ話が回ってきた。その渦中にいる社員がどんなに不安か、怖い思いをしているかが、痛いほどわかっていた。だので、すべてが決まって落ち着くまでは、と、直接その会社の関係者に会うのは控えていた。
でも、この夏休み中に、久しぶりにその会社時代の友人と飲む機会ができた。
お互いビールを10回ぐらいおかわりして、かわりばんこにトイレにいった。なんであんなに笑ったのか覚えていないが、楽しい思い出話ばかりがでた。つらいと思っていた体験ほど、げらげら笑う話題に変わっちゃうのだから、時って不思議だ。
笑っている最中、「山田さんが閉店記念の本を作った」という話が友人から出た。
山田さんはよねのいた会社の創設者みたいな人物だ。親会社のコンペに山田さんの企画が選ばれて、その会社が立ち上がった。よねが入社したときは専務だったが、ショップや商品のアートディレクションも手がけていて、よねのディレクターでもあった。じきに社長になり、会社を100億円の商いの会社に育てて退職された。その後、何代か社長は交替したのだが、代替わりするたびに、会社は山田さんの目指したものと違うものに変貌していって、じきによねも辞めた。
「非売品の本だけど、よねちゃんにも絶対送ってもらえると思うから連絡してみなよ」
友人が翌日、わざわざ窓口の経営部門の電話番号をメールしてくれた。
「社員の数は半分に減りました。当時の賑やかさが懐かしいです」
すぐに記念本が、事務の社員さんのお便りとともに郵便で届いた。開けてみるとタイトルは『THE GINZA WAS.』創設からのストーリーと、ショップや販促品、広告、商品などのアートディレクションを綴った内容だった。
ちょっと「にやり」としちゃった。このブログ「Yone is…」のタイトルを思いついたときに山田さんの教えを復習する、ということは一瞬たりともなかったのですが、何年かをまたいで山田さんの本のタイトルと(ひょっとしてあちらが?)シンクロしている。よねがまごうことなく山田さんの影響を強く受けていて、山田式思考が身にしみ付いていることがはっきりしたよ。
なかなかOKをもらえなかった案に手直しを重ねた徹夜明けの朝、GOサインを出してもらえて、死ぬほどほっとした若き日を思い出した。