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映画のB全ポスター制作
成田山裏参堂、動物を売ってる?変な店シリーズ③猫を売ってる?猫が花、売ってる?ほんとはなんの店だったのだろーか?うーん、わからない。
ビジネススクールの生徒さんたちがそろそろ卒業制作の時期に入ってきた。この学校のこのコースの生徒さんとよねが向き合える期間はたった6ヶ月。土曜日、週1で毎回6時間(1時半から夜10時半までびっちり)の授業をおよそ20回。パソコンの基本操作もおぼつかなかった方に、デザインの基礎知識を仕込む。短期でばーっと気分を盛り上げ、勢いで上手になってもらうために、毎週たーっぷり宿題を出す。
授業期間の終わる前に、ひとついいものを作りたいなあと課題を練っていたら、すごいグッドタイミングで学校にグラフィックのOJTの話が舞い込んだ。OJTってのは、実際の仕事の案件の制作物を生徒さんたちがトレーニングとして作るプロジェクト。教育学部の学生さんにとっての教育実習みたいなものである。
案件は、この5月末に全国で公開になる、ファンタジー映画のサブポスターのデザインと制作依頼。映画と森林保護キャンペーンを絡めたB全とB3のポスターで上映館に実際に貼られる予定だ。
3月29日にアイデア出しからスタートし、4月5日にカンプ(プレゼン用のデザイン案)を一人一点作りボードに出力してクライアントチェック、4月12日にフィニッシュデータ提出。カレンダーとつきあわせてみたが、ビジネススクールの課題としてはありえない、超タイトなスケジュール&不確定な要素満載である。相手は個人ではなく企業さんだから、当然企業の仕事タイム。こちらが先方のニーズに合わせて小回り効かせて動けないといけないのだが、全員社会人のクラスだ。急な呼び出しと昼間の集合は無理。力量よりも時間的な不安要素が多い。いったんは断ろうかとも考えたが、ちゃんと納められたら、生徒が作ったB全のポスターが全国の映画館に堂々貼られるのだ。ものすごい経験になる。生徒さんたちに、自分の考えたものが本物の形に変わる、大変ではあるけど喜びの過程と、自分の意見を突き通す難しさを味わって欲しい。このOJTをそのまま授業の課題としてまるまるいただき、取り組ませていただくことにした。
制作期間中は授業時間を大幅に拡張。生徒さんたちは一日中学校に詰めて、それから、登校日以外にも集合し、家でも制作を続けてもらい、なんとか終了。実際には、納品のあとにもかなりの変更があり、たまたま学校のクラス担任さんがグラフィックデザイナー出身だった(いろんな方が集まっている学校なのだ)ので、ほとんどかかりきりで対応してくださったそう。
「生徒の勉強のために、間にデザイナーを立てずに、全部こちらでやらせてください」などと、よけいなリクエストしたことを後悔した(間にデザイナーが入ると、せっかくの生徒の案が、途中で思わぬ形に変更されてしまうのを避けるために言ったのだったが…)。
こういう仕事に変更が入らないないわけがない。入稿後からデザイナーの真の活躍時間が来る、といった仕事もあるほどだ。
じつは授業あとの月曜日と火曜日は、ちょっとどきどきして緊急の電話に備えていた。ところが、よねは一回も緊急出動をすることなく進んだ。クラスの担任氏がぜんぶ修正に対応してくださったから!大感謝である。グラフィックのOJTには、こういった生徒さんたちをフォローする経験者の存在が必須だなあと痛感。担任さんがもとグラフィックデザイナーでなかったら、とんでもない結果に転んでいたと思う。
OJTの機会をくださったクライアントのディズニーさんと学校、生徒さんを引っ張るのをお手伝いくださったアシスタントティーチャー氏、そして大変な思いをされた担任氏に心からありがとうございます!。