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07 juni 2006
小樽
18:30羽田発の札幌行き。沈んでいく夕日とずっといっしょの旅。刻々と夜に変わって行く美しい空の色をつい、人の一生にあてはめて眺めてしまった。
よねのルーツは北海道の小樽というところ。先祖のお墓も北国の小さな坂の街にある。住みついたことは一度もないが、子供のころは長い休みには、北海道や福井の田舎に送られていた。だので、故郷というと、丘の上から見下ろした小樽の港を思い浮かべる。
ほぼ休みなしのマラソン的営業が半年続いた。とくにデザインとwebの先生業に心を注いできたが、毎週木曜の夜と土曜日朝一の授業が5月で終了したため、気持ち的に一区切り付く。6月の頭の金曜日、丸一日休日が取れた。それで、独りで航空券を予約して、小樽で短い休暇を過ごすことにしたのだ。10年ぶりくらいの北海道。いぇい!
よねの祖母のマサおばあちゃんの命日が6月であるため、一族は一年でいちばん美しい季節の小樽に集まることになっている。マサおばあちゃん、うまいときに亡くなってくれたものだ。
北国では夏にはアジサイとコスモスがいっしょに花開く。今年の冬は雪がいつもよりうんと多かったそうで、春もずっと遅い。家々の庭ではライラックが満開。ボタンとツツジがいっぺんに咲く。山に登ったら、桜とタンポポまでいっしょに見られた。泊めてもらった親戚の家では6月だというのに、ストーブを炊いていたよ。
小樽の親戚がよねが行くと必ず用意しておいてくれるご馳走がある。それは、寿司でも刺身でもかにでもえびでもない。「そうはちがれい」という魚の干物。シンプルに焼き魚にしてあつあつのところに醤油をちょろっとかけてはぐはぐ食べる。身はふわふわしていて、真っ白。口に入れるとほろほろ柔らかくてうっすら甘い。子供の頃の夏休み、マサばあちゃんといっしょに、市場に行き、この干物を選んだことを思い出す。あの頃はおばあちゃんちの夕飯には必ず登場するポピュラーなおかずだったのに、現在はたいへんな高級魚になってしまったそうだ。丁寧にしゃぶるように食べ尽くす。皿にはほんのちょっとの骨しか残らなかった。食いしん坊万歳。
翌日お墓参りの後に、丘を降りて倉庫街方面に繰り出す。連れて行っていただいた運河沿いの寿司屋。こちらもすごかった。回転すしでありながら、すごいグレードであった。めっずらしくビールも頼まず、寿司だけに集中した。最後はなまうに4連発でしめくくり。ゴージャスな休暇であった。