ばらばらのページ修復中
今、進行中の製本の仕事どす。カメラマンさんが、お姉さんの結婚式のもようを写真に撮ったものを本に綴じてプレゼントしたものの修復。1ページ1ページは写真を印画紙にご自分で焼いたものを両面テープで張り合わせたもの。すごく丁寧な仕事。
背とのどの部分をセロハンの両面テープで綴じていたため、30年の歳月でばらばらになった。セロハンテープは接着力が時とともにゼロになり、糊が紙に染み込んで茶色く酸化する。
両面テープ部分は問題ないのだが、セロテープの糊の跡は残念ながら、一般人が入手できる範囲のシンナーやアルコール類では絶対に落ちない。紙の修復専門家に問い合わせたところ、染み抜きの価格は10センチ2000円。ですから、みなさん、本が壊れてもセロテープでぜったいに止めないでください。紙にとって、セロテープは天敵です!
いったん、テープを全部剥がして本を壊し、紙の状態までもどす。ページののどの部分に、別の紙を足継ぎする。幅1センチくらいの「枕」という、ページを束ねる支えの厚紙を入れる×31ページ分。綴じ直してカバーをつける。
修復・修理の仕事は、手をかけようと思えば際限ない。どこまで新しくしたいか、あと何年もたせたいか、お客さんの要望をよく伺って、中身を傷つけないように注意深く進めます。
張り合わされた印画紙のページを開いてテープを剥がし、糊を入れ、のどに足継ぎをしたところ↓