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最終回 ご愛読ありがとうございました!
印刷された単語の長さに引きつけられたオランダ語のポスター。それが20年前、オランダに興味を持ったきっかけ。じっさいに来てみたら空のでかさに圧倒された。高い空近い雲。そりゃそうだ、何世紀も前、ここはもと海だった場所だもの。
初めてよその国を旅したのは大学3年生の春休みだったな。わたしは一年浪人して大学に入ったので、その春21歳だった。
高校のときの同級生と2人の学割のユーレールパスを使ったバックパッカー旅だった。
妹尾河童の「河童が覗いたヨーロッパ」と安野光雅の「旅の絵本」があこがれの旅のモデル。実際には「地球の歩き方」を持っていった。
ユーレイルパスを使って目標の町に到着すると、まず空き部屋を探して荷物を置く。散歩に行く。有名なレストランや高価なブティックとはまるで縁がない。
とりあえず目に入った入れる店に飛び込んで、先にいたお客さんの食べているものと同じものを注文した。揚げた魚やムール貝の煮込み、生のお肉。ガイドブックになんて載っていない、みんなが普通に食べているものがとてもおいしかった。ふつうのもので十分だった。
現地の観光案内所でもらった地図をたどって、美術館と教会を探し当てる。なんて発音するかもわからない道路標識だけがたよりだった。人生初の旅でひとびとの「ふだん」を見物した。
若いよねがキャッチした「ここちいいふつう」「がんばらない」「あたりまえがあたりまえにきれい」というキーワードはずっと体の中に残った。ずっとずっと、ヨーロッパで見たのとおなじような「幸せ」に憧れた。
懸命に働けば、いつか余裕ができるのかと思って、ものすごく働いた。いい会社に勤めることができて、それがたまたま服屋だったのでいい服を着られて、一流の人と仕事ができても、心はからからだった。心がからからだったので、たくさんお給料をいただいていたのにも関わらず、ちっとも「これがいい」という気がしなかった。
一時は仕事の選択を間違っているのかと思っていろんな勉強をしてみた。習い事や学校に通いまくった。いくら投資したかわからない。
海外に暮らせば見つかるかも。そう思って日本脱出をたくらんだこともある。(まるで「オズの魔法使い」のようだね。)
だれに聞いてもわからなくて、どこにもみつからなかった、雑誌や本にも書いてなかった、知りたかった答えは結局、旅が教えてくれました。
わたしが求める「しあわせ」は、「自分から」動く人にしか見えないし理解できない。
持っているものを「人のために役立てる」こと。それがわたしにとっての「生きる」ってことだったのです。
ながらくご愛読いただきました「Yone is….」ですが、この文章を持ちまして終了といたします。長い間おつきあいくださいましてありがとうございました。
文章や本も同じなんです。「自分でやってみる」までしないと、気が済まない。読んでくださる方がどこかにおられる、それがすごくうれしくて、これまで続けてこられました。ログをひっくり返しますと、最初の投稿は2005年からです。あしかけ8年。怠けた時期もありますが、とにかくすごい量です。長い時間かけて、答えを見つけられましたのは、皆さんのおかげです。
読んでくださった皆さまが自分の幸せを見つけられますように!!お元気で皆さまの旅を続けられますように!!応援ありがとうございました!!!よねの旅はまだまだ続きます。またどこかで! よねざわ みどり。