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冬と春の星座

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中学生のときから愛用している星座盤。流星群が来るたび、それから、今晩みたいに季節が変わって空も変わると、しばしば持ち出す。これのおかげで、ずいぶんと星座の名前を言えるようになった。
 3月ですな。季節が変わったってさっき、強く思った。今夜は10時頃、スポーツクラブからの帰りに空を見上げた。模様が変わってた。
 天頂に6月生まれの人の星座、双子座のカストルとボルックスが仲良く光っているのを見つけた。体を北に向けると、双子座の斜め下に大好きな北斗七星が、お水がじゃーっとこぼれる角度で回ろうとしている。ひしゃくの深さのちょうど5倍の距離のところに、簡単に北極星が見つかった。
 双子座の隣にぎょしゃ座の五角形、東に頭を回すと獅子座の逆ハテナマークがやさしく「はてな?」と語りかけてくる(宇宙からの問いかけを裏から見ている感じだね!)。真冬には東南のそらの王様だったオリオン座は、西に傾いていた。

 小学の低学年から、近視がはじまった。こどもの時って、ものすごい勢いで近眼が進む。眼鏡の度を合わせるより、近眼が進む方が早くて、いつも遠くが見えずらい子だった。
 だから、夜空は大の苦手だった。小学生のときも中学生のときも、星座は見つけることができませんでした。星座観察の宿題は、前の家の屋根とか塀とか、もっともらしく描き入れて、あとは父親に、どのへんに出ているのかを指で示してもらって、図鑑を丸写しして乗り切りました。

 始めて、星座ってもんがほんとにあるのだとわかったのは高校生のとき。わたしはだいぶ大きくなるまでピアノを習ってまして、そのレッスンの帰り道、空がきれいに見渡せる場所で、「ん?」と思った。
 星が斜めに3つ並んでいた。さいころの「3」みたいに1列に。
 その「3」の外側に目を動かすと、4方に明るい星が。オリオン座を発見したのだった。星座ってもんがほんとうにあるんだ!生まれて始めて自分の目で知った。
 ただの点が線でつながった瞬間の感動は忘れない。
 ヘレンケラーが水を触ってて、これが水ってもんなのね!と知った瞬間の喜びはこれだったか!くらいの衝撃だったな。

 高校のクラスメートが描いていたマンガの話の主人公が「リゲル」っていう名前だった。オリオンの足に当たるリゲルは、三ツ星を囲む四すみの星の一つだ。
 理科の宿題もちゃんとやって持っていってたよねは、オリオン座がどういう風に並んでいるかということだけは知ってたんだな。
 オリオン座はよねがインチキして描いた宿題のスケッチより、ずっとゆったりと大きく、のびのびと広がっていた。
 そんな大らかな規模で、星座ってもんが展開されているとは。